TVモニター付きインターホンは、現在の賃貸住宅では一般的な設備になっています。
お部屋探しをしている方の中にも、「オートロックまではなくても、TVモニター付きインターホンは欲しい」という方は少なくありません。
一方、築年数が経過したアパートやマンションでは、
「そもそもインターホン用の配線がない」
「玄関には昔ながらのチャイムしか付いていない」
という理由から、TVモニター付きインターホンの設置を諦めているケースがあります。
しかし、現在では配線工事を行わなくても設置できるワイヤレス型のテレビドアホンがあります。
そのため、古い賃貸物件であっても、比較的少ない工事で設備を追加し、募集条件を改善できる可能性があります。
今回は、TVモニター付きインターホンが空室対策としてどの程度有効なのか、そして既存配線がない物件へどのように設置できるのかについて解説します。
本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「電池式モニター付インターフォンで空室対策」
という動画の内容を、文字で整理したものです。
TVモニター付きインターホンは空室対策になるのか
まず確認したいのが、「TVモニター付きインターホンを付けることで、本当に入居者募集に効果があるのか」という点です。
その効果を確認する方法の一つが、賃貸ポータルサイトで競合物件数を比較することです。
例えばSUUMOなどで、
① エリアと賃料を設定して検索する
② TVモニター付きインターホンを条件に入れず、物件数を確認する
③ 「TVモニター付インターホン」などの条件を追加する
④ 物件数がどの程度減るか比較する
という方法です。
これによって、TVモニター付きインターホンを設置した場合に、検索上どの程度競合物件を減らせるのかを確認できます。
賃料が安い物件ほど効果が大きい可能性がある
実際に品川区の賃貸物件について調べたところ、賃料帯によって大きな違いがありました。
【~7万円】
1,607→708・・・約56%減
【7.5~10万円】
9,183→6,769・・・約26%減
【10.5~13万円】
19,961→16,075・・・約19%減
上記の結果をみると、賃料7万円以下の物件では、競合物件が半分以下まで減ったことになりますので、大きな効果を期待できます。
賃料帯が高くなるほど設置率も高くなる
一方、賃料7.5万円以上になると、TVモニター付きインターホンの有無による競合物件の減少幅は小さくなりました。
それでも、おおむね4分の1程度の物件が検索対象から外れるのであれば、一定の効果は期待できます。
さらに賃料帯が上がると、競合物件の減少割合は19%程度になるなど、徐々に効果は小さくなっていきます。
これは、賃料の高い物件ほど、もともとTVモニター付きインターホンが標準的に設置されていることが多いためだと考えられます。
つまり、低賃料帯の古い物件ほど、TVモニター付きインターホンを追加することで競合との差別化につながりやすい、ということです。
自分の物件と同じ条件で検索してみる
TVモニター付きインターホンを導入するか迷っている場合には、ご自身の物件と近い条件で実際に検索してみることをおすすめします。
例えば、
所在地
最寄り駅
賃料帯
間取り
築年数
などを設定したうえで、TVモニター付きインターホンの条件を付けた場合と付けない場合で、物件数を比較します。
競合物件が大幅に減るのであれば、比較的小さな設備投資によって募集上の優位性を得られる可能性があります。
オートロックがなくても一定の安心感を得られる
私自身、現在は管理業に特化していますが、以前はお部屋探しのお客様を直接ご案内することも多くありました。
その際、特に単身女性のお客様から、「できればオートロックが欲しい」という希望をいただくことは非常に多くありました。
しかし、希望する賃料やエリアとの兼ね合いでオートロック物件が難しい場合、「オートロックがなくても、TVモニター付きインターホンがあれば大丈夫です」という方も少なくありませんでした。
TVモニター付きインターホンがあれば、玄関を開ける前に訪問者の顔を確認できます。
宅配業者なのか、営業なのか、知らない人物なのかを室内から判断できますので、オートロックほどではなくても、防犯面で一定の安心感を得ることができます。
特に、
単身者向け物件
女性の入居が多い物件
オートロックのない物件
築年数が経過した物件
では、検討する価値が高い設備だと思います。
まず既存のインターホン配線を確認する
実際に導入する場合、最初に確認したいのが現在の設備です。
築年数が古い物件でも、室内に受話器型インターホンがあり、玄関横にも通話用の子機がある場合は、既存の配線を利用して、一般的なTVモニター付きインターホンへ交換できることが多いです。
既存配線を使用できるのであれば、あえてワイヤレス製品を選ぶ必要はありません。
一般的な有線タイプのTVドアホンへ交換した方が、電池交換などの手間も少なくなります。
そのため、まずは電気工事業者などへ「現在の配線を利用してTVモニター付きインターホンへ交換できますか」と確認することをおすすめします。
配線がなくてもワイヤレス製品なら設置できる
一方、玄関には単純なチャイムしかないという場合は、ワイヤレス型のTVドアホンなら設置可能です。
例えば、パナソニックから、配線工事をせずに使用できるワイヤレスドアホンが販売されています。
玄関側にはカメラ付きの子機を設置し、室内側にはモニター付き端末を置きます。
玄関側と室内側を無線で通信させるため、新たに壁の中へ配線を通す必要がありません。
古い物件で、「TVモニター付きインターホンを付けたいが、配線工事まで行うと費用がかかりすぎる」という場合には、有力な選択肢になります。
ビス穴を開けたくない場合の製品もある
ワイヤレス型であっても、玄関側のカメラを外壁などへビスで固定するタイプがあります。
オーナーによっては、
「将来取り外したときに穴が残るのが気になる」
「外壁へ穴を開けたくない」
という方もいらっしゃると思います。
そのような場合には、玄関扉の上部へ引っ掛けて使用する「ドアカメラ」という製品もあります。
既存のチャイム音を検知するとカメラが起動し、室内から訪問者を確認できる仕組みになっています。
ワイヤレスタイプは電池交換が必要
工事不要という大きなメリットがある一方、ワイヤレス製品では定期的な電池交換が必要になります。
入居後に電池が切れた場合については、
入居者自身で交換してもらう
管理会社が交換する
オーナーが交換する
など、あらかじめ運用方法を決めておくとよいでしょう。
なお、一般的に定められることの多い「小規模な修繕」に該当するため、借主に電池交換をしてもらう方法もありますが、頻度も少なく大きな維持費にはなりにくいため、オーナーや管理会社が対応でも良いと思います。
数万円程度の設備投資でも募集効果が期待できる
空室対策というと、
ユニットバスやキッチンなどの大型設備の交換
間取り変更を伴うリノベーション
など、大規模な工事を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、必ずしも高額な工事だけが空室対策ではありません。
TVモニター付きインターホンのように、比較的少額で追加できる設備でも、検索条件に一つ加わることで競合物件を減らせる場合があります。
特に低賃料帯の物件では、「オートロックはないが、TVモニター付きインターホンはある」というだけでも、入居希望者にとって安心材料になる可能性があります。
そのため、設備投資を考える際には、工事費だけを見るのではなく、「この設備を付けたら、賃貸サイト上でどれだけ競合物件が減るのか」という視点で考えてみることをおすすめします。
まとめ|古い物件でもTVモニター付きインターホンは導入できる
築年数が経過したアパートやマンションでは、「配線がないからTVモニター付きインターホンは設置できない」と思われているケースがあります。
しかし、現在ではワイヤレス型の製品もあり、配線工事を行わずに設置できる可能性があります。
特に、低賃料帯の物件では、TVモニター付きインターホンを検索条件へ追加することで、競合物件が大きく減る場合があります。
導入を検討する際には、
自分の物件と同じエリア・賃料帯で競合物件数を比較する
まず既存配線を利用できないか確認する
配線がなければワイヤレス製品を検討する
電池交換など入居後の維持方法を決めておく
という順番で検討すると分かりやすいと思います。
TVモニター付きインターホンは、オートロックのない物件でも入居者へ一定の安心感を提供できる設備です。
大規模なリフォームを行う前に、比較的少額で検索条件を一つ増やせる空室対策として、ご自身の物件でも導入できないか、一度検討してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


