「現在の管理会社に不満があるため変更したい」「新たに賃貸物件を建築するので管理会社を探している」という場合、管理料の金額だけで管理会社を選んで良いのでしょうか。
賃貸管理会社のサービスには、外から見ただけでは分かりにくい部分が数多くあります。
例えば、入居者からトラブルの相談があったときに誰が対応するのか、休日や夜間にはどこまで対応してもらえるのか、退去時には現地へ立ち会うのか、原状回復工事にはどの程度の費用がかかるのかなどです。
管理料が安くても、そのほかの部分でオーナーの負担が大きくなるのであれば、必ずしも良い管理会社とはいえません。
管理会社を変更するときには、「管理料が何%か」だけではなく、以下のような実際の管理内容まで比較することが重要です。
・入居者からのクレームへの対応
・実際に入居者対応を行う人
・深夜・休日の対応
・担当者の変更
・立ち退きに関する相談
・退去立会い
・原状回復の精算
・工事費
・担当者1人当たりの管理戸数
・管理エリア
では、一つずつ見ていきましょう。
本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「弊社と他社のサービス比較~入居中・退去時・他~」
という動画の内容を、文字で整理したものです。
管理会社によってクレームの発生頻度は変わる
賃貸管理をしていれば、設備の不具合、騒音、ごみ出し、共用部分の使い方など、入居者からさまざまな相談が入ります。
こうした相談が大きなクレームへ発展するかどうかは、管理会社の日頃の対応によっても変わります。
クレームを減らすには契約前の対応も重要
まず重要なのは、入居者募集や契約の段階です。
内見や入居審査の段階で申込者ときちんと接し、物件のルールを守っていただける方かを確認することが、入居後のトラブルを減らすことにつながります。
こちらについては、「賃貸物件の入居者募集会社を比較する8つのポイント」で解説しています。
入居者が早めに相談できる関係をつくる
すでに入居者がいる物件の管理を途中から引き継ぐ場合でも、クレームの発生を減らすことはできます。
そのために重要なのが、入居者が管理会社へ気軽に相談できる関係をつくることです。
例えば、設備の調子が少し悪い段階で、「最近、給湯器の調子が少し気になります」と相談していただければ、問題が大きくなる前に対応できます。
騒音についても、「最近、上の階の足音が少し気になるので、一度相談してもよいでしょうか」という段階で連絡をいただければ、比較的穏やかに対応できます。
一方、管理会社へ連絡しづらい状態が続くと、不満を長期間抱え込んだ結果、感情が爆発してから連絡が入ってしまい、解決に苦労します。
小さな相談の段階で連絡してもらえる環境をつくることが、結果として大きなクレームを防ぐことにつながります。
注意文の書き方でも管理会社への印象は変わる
管理会社は、騒音、ごみ出し、共用部分の使用方法などについて、注意文を掲示・配布することがあります。
このとき、
「禁止です」
「絶対にやめてください」
「違反した場合は対応します」
といった強い表現だけを並べても、掲示した側の気持ちがスッキリしますが、残念ながら解決に繋がるケースは少ないです。
必要な注意は行いつつも、なぜお願いしているのか、ほかの入居者がどのように困っているのかなどを丁寧に説明することが重要です。
そのため、直近で掲示・配布した注意喚起文を見せてもらうことも一考かもしれません。
入居者対応は「誰が行うのか」を確認する
管理会社を比較するときには、入居者が何か困ったとき、実際に誰が対応するのかを確認してください。
会社によって、
・自社の担当者が直接対応する
・自社のコールセンターが対応する
・外部の24時間対応サービスへ委託する
など、対応方法が異なります。
24時間サービス=いつでもすべて解決するとは限らない
「24時間対応」と聞くと、いつでもすぐに問題を解決してもらえる印象があります。
しかし、実際には、「24時間電話を受け付けてもらえる」という意味であり、対応は翌営業日というケースは少なくありません。
そのため、管理会社を比較するときは、「24時間対応していますか」と聞くだけでなく、「夜間や休日に連絡した場合、どこまでその場で対応してもらえますか」と確認することをおすすめします。
弊社では原則として担当者が直接対応
弊社では、基本的に物件を担当している者が、入居者からの連絡にも直接対応しています。
何かあれば、物件の事情を知っている担当者へ直接相談できる形です。
管理会社を選ぶ際には、窓口が24時間開いているかだけではなく、「相談した内容を理解し、最終的に判断する人へどれだけ早くつながるのか」も重要な比較ポイントだと考えています。
管理会社の担当者は何年くらいで変わるのか
賃貸管理は、長期間にわたる業務です。
数年間同じ担当者とやり取りしていると、「あの部屋で以前起きた漏水の件です」と伝えるだけで、過去の状況を理解してもらえます。
オーナーの考え方や建物特有の事情も共有され、細かく説明しなくても話が通じる関係になります。
ところが、担当者が変更されると、いくら会社で引き継ぎをしていても、これまでの細かな経緯を一から説明し直さなければならないことは少なくありません。
管理会社を比較するときには、
・担当者の平均的な担当期間
・異動がある場合の引き継ぎ方法
・過去の対応履歴をどのように保存しているか
についても確認が必要です。
立ち退きや契約違反が発生したとき、どこまで相談できるか
賃貸経営では、通常の設備対応だけでなく、難しい問題が発生することがあります。
例えば、「立退き交渉」と「契約違反による契約解除」がその一例です。
立ち退きや契約解除に関する交渉については、弁護士法との関係があるため、判然としない微妙なラインで、管理会社が対応して良いのか、弁護士に代理委任した方が良いのか、対応が分かれる場合があります。
そのため、大きな会社ほどコンプライアンスの観点から、「すべてオーナー自身で対応してください」と言われてしまうケースがあります。
しかし、相手方が交渉を拒否している場合は別として、落としどころを見つけられる余地がある場合は、管理会社が間に入ることで、円滑にオーナー負担も少なく解決できることも少なくありません。
管理会社へ依頼する前に、難しい入居者トラブルが発生した場合の対応方針についても確認しておくことをおすすめします。
退去時に管理会社は立ち会ってくれるか
次に確認したいのが、退去時の対応です。
管理会社によっては、退去立会いを行わず、
「現地のポストへ鍵を入れておいてください」
「会社まで鍵を届けにきてください」
という対応をしている場合があります。
また、退去立会いを行う場合でも、別途費用が発生する会社があります。
入居前の記録と照らし合わせて確認する
退去時の原状回復トラブルを減らすためには、退去時だけを見るのではなく、入居前の状態と比較する必要があります。
退去時には、それらの資料と現在の状態を照らし合わせ、
・入居前、入居中のどちらで発生した傷か
・通常損耗か、借主の故意・過失によるものか
を確認していきます。
しかし、入居前の記録をしっかり残せていないケースは少なくありません。
弊社では、退去立会は必須としており、入居前には自社で記録と撮影を行い、その情報をもとに退去立会を実施しています。
原状回復はガイドラインだけで機械的に判断しない
退去時の原状回復では、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などを踏まえて負担区分を判断します。
壁紙については6年で1平米あたり1円になるよう借主負担が大きく減少していくという考え方が示されており、その通りに精算する管理会社も多いです。
一方で、6年を超えてもそのまま使用できる壁紙は多く、入居者の使用方法によって大きく左右されることも実情です。
ガイドライン内にも善管注意義務違反に該当すればその限りではないことが記されており、裁判例でも居住年数が8年だったケースで張り替え費用半額の支払い命令を出した事例もありますが、それらを知らない管理会社も非常に多いのが実情です。
契約内容、入居期間、損耗の原因などを確認し、必要に応じて借主と話し合って当事者が納得する精算を行ってもらうことが大切です。
原状回復工事の費用は管理会社によって変わる
管理会社を比較するときに、意外と見落とされやすいのが「工事費」です。
管理料が安くても、管理会社が提示する原状回復や設備交換の工事費が高ければ、オーナーが年間に負担する総額は大きくなることがあります。
管理会社によっては、割高なグループ会社を通じて工事を発注する仕組みになっています。
また、工事会社の見積もりに手数料(キックバック)が加算されているケースは非常に多いのが実情です。
工事会社をオーナー自身で選べるかも確認する
管理会社を選ぶ際には、「オーナー指定の工事会社を利用できるのか」を確認すると良いと思います。
特に管理料無や低額を謳っている会社では、キックバックが売上の一部を占めている場合がありますので、色々な理由を付けて拒否してくる場合が多いです。
弊社では、工事会社や保守管理会社からキックバックを絶対に受け取らないと決めています。
そのため、工事会社の見積金額についても、「この金額は少し高いのではないでしょうか」とオーナー側の立場から確認できます。
また、オーナー自身が付き合いのある工事会社へ依頼したい場合や、ご自身で別の業者を探したい場合にも問題ありません。
賃貸経営では、管理料だけでなく、設備交換や原状回復にかかる費用まで含めて比較することが重要です。
担当者1人当たりの管理戸数を確認する
管理会社の規模が大きいほど安心できると考える方もいると思います。
しかし、実際の管理品質を考える場合には、会社全体の管理戸数だけでなく、「担当者1人当たりが何戸を担当しているか」を見ることも重要です。
1人の担当者が非常に多くの物件を抱えていれば、その分だけ対応が遅れる可能性があります。
中には、資料1つ送ってもらうのに1週間以上も待たされるケースもあります。
弊社では1人200戸を上限としている
弊社では、担当者1人当たりの管理戸数を原則として200戸までとしています。
実際には300戸までは問題なく担当できると考えています。
しかし、複数のトラブルが同時に起きたときでも、それぞれの案件へ適切に対応できる余裕を残しながら、普段から管理物件の価値向上に向けて情報収集や検討を行える時間を確保するため、余裕を持った上限としております。
管理会社を比較する際には、ぜひ「担当者1人で何戸程度を管理していますか」と聞いてみてください。
管理エリアが広すぎないか
最後に確認したいのが、管理会社の対応エリアです。
管理会社の事務所から物件まで片道1時間以上かかるような場合には、漏水や設備トラブルが発生した際、すぐに現地へ行くことが難しくなります。
その結果、対応が遅くなるか、些細なことでも外注してオーナー負担が増えるか、どちらになってしまうケースが多いです。
弊社では、原則として、会社名のとおり品川区・目黒区を円に囲んだ範囲に管理エリアを限定しています。
地域を絞ることで、必要があれば比較的早く物件へ向かうことができ、周辺の賃貸市場や地域事情についても把握しやすくなります。
管理会社を選ぶ際には、単に「この地域を管理できますか」と確認するだけでなく、「担当者は普段どこから物件へ来るのか」という点まで確認すると、実際の対応力を判断しやすくなります。
管理会社を比較するときのチェックポイント
管理会社を変更・選定するときには、少なくとも次の項目を確認することをおすすめします。
・入居者からの相談を誰が受けるのか
・外注サービスを利用している場合、どこまで対応するのか
・夜間・休日に現地対応できるのか
・担当者はどのくらいの頻度で変更されるのか
・難しい入居者トラブルをどこまでサポートするのか
・退去立会いを行うのか
・入居前の現況記録を残しているのか
・原状回復の負担をどのように判断するのか
・工事会社を自由に選択できるのか
・担当者1人当たりの管理戸数
・物件までの距離
これらは、管理料だけを比較していても分からない部分です。
まとめ|管理料だけでなく「実際に何をしてくれるか」で比較する
賃貸管理会社を選ぶときには、管理料や会社の知名度だけでなく、入居中から退去後まで、具体的にどこまで対応してくれるのかを確認することが重要です。
管理料が安くても、入居者対応がほとんど外注されていたり、退去立会いが別料金だったり、工事費が高額だったりすれば、結果としてオーナーの負担が大きくなる可能性があります。
反対に、管理料だけを見ると多少高くても、入居者対応、退去精算、工事費、トラブル対応などを含めて考えると、総合的にはメリットが大きい場合もあります。
特に重要なのは、「問題が起きたときに、誰が、どこまで、どのくらい早く対応してくれるのか」という点です。
管理会社とは、何もなければずっと付き合うことになります。
現在の管理会社に不満があり変更を検討している場合や、これから新たに管理会社を探す場合には、今回ご紹介した項目を一つずつ比較してみてください。
そのうえで、「品川目黒不動産管理の管理方法について、もう少し詳しく聞いてみたい」と思っていただけましたら、ぜひご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


