今回は、目黒区内にある築50年を超える1棟マンションで、半年以上空室が続いていた2部屋を成約へ導いた空室対策事例を紹介します。
築古マンションは「リノベーションしなければ決まらない」と思われがちですが、原因を正しく分析し、物件の特徴に合わせた募集戦略を採用することで、大規模な工事を行わなくても空室を改善できるケースがあります。
本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「築古で半年空室→表装DIY可で満室~目黒区17戸一棟マンション」
という動画の内容を、文字で整理したものです。
ご相談時の状況|半年以上空室が続く築50年超のマンション
ご相談いただいた建物は、築50年以上が経過した1棟マンションでした。
室内は最低限の維持管理がされていましたが、共用部分の管理状態はあまり良いとは言えず、建物全体として古さが目立つ状況でした。
また、各階3戸のうち中央の住戸はユニットバスへ改修されていましたが、角部屋は昔ながらのタイル張りの浴室でした。
特に問題だったのは浴室の構造です。
洗い場と浴槽までの間に大きな段差があり、体を洗うスペースも狭いため、お風呂が使い辛い形になっていました。

まずは現状のまま募集し、反響を分析
オーナー様のご希望もあり、まずは現状のまま募集を開始しました。
問い合わせ自体は一定数ありましたが、弊社ではすべて立会いで内見を行っているため、問い合わせをいただいた時点で浴室の特徴などを説明していました。
その結果、
「その設備なら今回は見送ります。」
という方も一定数いらっしゃいました。
一見すると機会損失にも見えますが、内見後に断られるケースを減らせるため、お客様・管理会社双方にとって効率的な募集方法でもあります。
その結果、ユニットバスへ改修済みだった中央住戸は比較的早く成約しました。
一方で、角部屋だけが引き続き空室となりました。
発想を変えた空室対策|DIY可能物件として募集
そこで角部屋について、新たな募集方法を検討しました。
この住戸は壁紙ではなく塗装仕上げ、床はクッションフロアだったため、表層部分だけであれば比較的自由にDIYしやすい構造でした。
そこで、「事前相談・事前承認を条件に、表装部分のみDIY可能」という募集条件へ変更しました。
例えば、
壁の塗装
クッションフロアの変更
インテリア性を高める簡易的な施工
などについては原状回復不要とし、入居者が自分好みにアレンジできるようにしました。
一方で、
設備交換
配管工事
キッチン・浴室などの改造
については原則として認めない条件としました。
設備まで変更してしまうと、退去後の不具合が施工不良なのか経年劣化なのか判断できなくなるためです。
DIY可能物件とする場合でも、対象を表装部分だけに限定することが重要なポイントです。
数千円の改善で浴室の使い勝手を向上
もう一つの課題だった浴室の段差については、大掛かりなリフォームではなく、すのこを3セット設置しました。
滑り止めも取り付け、安全性にも配慮しています。
費用は数千円程度でしたが、実際の使い勝手は大きく改善しました。

「完全に欠点をなくす」のではなく、「生活できるレベルまで改善する」という考え方も、築古物件では非常に有効です。
内装業にお勤めの方で無事に成約
DIY可能物件として募集したところ、2~3週間ほどで内装業に勤務されている方からお問い合わせをいただきました。
その方は、「自分で内装を楽しめる物件を探していました」とのことでした。
結果として、そのままご契約いただき、現在も長期間ご入居いただいています。
外国籍の方も築年数を気にしないケースが多い
近年は留学や就職で来日される外国籍の方からのお問い合わせも増えています。
もちろん全員ではありませんが、日本で新生活を始める方の中には、築年数よりも家賃や立地を重視される方も少なくありません。
実際、この建物でも近年は外国籍の方の成約が増えており、築年数だけで判断されるケースは以前より減っている印象があります。
そのため、築古物件では募集対象を柔軟に見直すことも、有効な空室対策の一つです。
まとめ|築古マンションは発想の転換で競争力を高められる
築年数が古い物件というと、高額なリノベーションが必要だと思われがちです。
しかし、空室の原因を分析すると、
DIY可能物件として募集する
数千円程度で生活上の不便を改善する
募集対象を柔軟に見直す
といった工夫だけで状況が大きく変わることがあります。
今回ご紹介したマンションも、以前は半年以上空室が続いていましたが、現在では繁忙期なら1か月以内、通常期でも1~3か月程度で成約する物件へ改善しました。
築古マンションの空室でお悩みの方は、「建物を全面改修する」という発想だけではなく、その建物ならではの魅力やターゲットに合わせた募集戦略も、ぜひ検討してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


