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約半数の空室を満室にした空室対策事例~目黒区13戸一棟マンション

最新更新日 2026年06月09日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

今回は、弊社で管理している目黒区内の13戸一棟マンションの空室対策事例を紹介いたします。

こちらの物件は、個人事業の時代にご相談を受けたことがきっかけで、その後、現在に至るまで管理をさせていただいている物件です。
当初ご相談を受けた時点では、全13戸のうち5戸が空室でした。さらに退去予定のお部屋もあったため、これから6戸空室になる予定であり、建物全体の半分近くが空室になってしまう状況でした。

なお、間取りは1Kが多く、一部にワンルームがあります。

相談時の状況

空室期間を確認すると、以前は比較的順調に決まっていたようです。
しかし、コロナ禍になってから特に決まりづらくなり、数か月から3年近く空いているお部屋もありました。

まず、空室原因を調査したところ、大きな問題が2つありました。

問題点①:募集媒体にほとんど掲載されていなかった

特に大きな問題は、募集媒体への掲載状況でした。

レインズ(不動産業者間サイト)を確認したところ、5戸空室があるにもかかわらず、掲載されていたのは1部屋だけでした。
さらに、SUUMO、ホームズ、アットホームといった一般の方が見るポータルサイトを確認したところ、1戸も掲載されていませんでした。

現代は、借りる方の多くがインターネットで物件を探す時代です。
その中で、業者間サイトに1戸だけ掲載され、一般向けポータルサイトには一切掲載されていないという状況は、空室対策として非常に大きな問題です。

問題点2:掲載情報の質が低かった

さらに、せっかく掲載されていた情報にも問題がありました。

募集図面には写真が1枚も掲載されておらず、レインズ上にも外観写真などが一切登録されていませんでした。
また、募集図面の内容にも一部誤りがありました。

これでは、物件の魅力が借りる方にも仲介業者にも伝わらず、「これでは決まらないだろう」と感じる状況でした。

3つの空室対策

募集をお任せいただいた後、いくつかの手法を行いました。

空室対策①:2戸ずつ募集

まず行ったのは、空室を一斉にすべて募集するのではなく、2戸ずつ募集するという方法です。
5戸を一斉に募集してしまうと、情報を見た方に「なぜこの建物はこんなに空いているのだろう。何か問題があるのでは?」と不信感を持たれてしまう可能性があります。

そのため、まずは2戸ずつ募集し、その反応を見ながら、得られた経験を次の募集に活かしていく方針にしました。

空室対策②:写真・室内演出・条件設定を改善

室内にシングルベッド(エアーベッド&カバー)や飾り物などを設置し、生活のイメージが湧きやすい状態を作りました。
その上で南向きだったので早朝に撮影を行い、募集図面やポータルサイトに活用しました。

空室対策③:賃料などの諸条件見直し

周辺相場を確認したところ、少し下げた方がよいと判断しました。

また、1戸だけであれば強気からスタートということも可能ですが、半分近く空いている場合は、まずは満室にすることが先決です。
そこで、まず2室について賃料を見直した上で募集を開始しました。

また、元々は賃料だけで管理費無という設定だったため、検索のヒット率を上げるために管理費への割り振りを行いました。
過去ブログ記事「管理費・共益費の設定方法

さらに、早く満室することを優先するため、礼金も無にしていただきました。
過去ブログ記事「敷金・礼金の有無による効果

最初の空室対策の結果

これらの対策を行った結果、最初の2室は1週間ほどで成約しました。

その反応を見て、「これはもう少し家賃を上げられる」と判断し、次のお部屋は賃料を上げて募集しました。
そのお部屋も良いスピードで成約し、その後無事に満室となりました。

現在と直近の空室対策

この一棟マンションでは、その後もさまざまな対策を行った結果、それなりに強気の設定ですが、その後も1か月以内には成約しています。
特に賃料アップや収入に直結した方法を2つ紹介します。

管理人室の活用

トイレやエアコンもない管理人室がありましたが、物置きとして使われていました。しかし、室内を確認すると、ほとんどが不用品でした。
建物内には階段下にも小さなスペースがあったため、本当に必要なものだけをそちらへ移動し、不要なものは産廃業者に依頼して処分しました。

その後、管理人室の表装工事と、少し湿気が多い印象もあったため、カビ対策としてダイキン社の「カライエ」を設置しました。

また、集合ポストに新たなポストを1台増設し、倉庫に加えて法人登記専用の事務所として募集しました。
すると、まさにそのような場所を探していた法人から申し込みが入り、無事に契約となりました。

これにより、13戸だったマンションが、実質的に14戸として収益を生むようになった、非常に良い事例です。

SOHOや事務所としての募集

この一棟マンションは、1フロアに3部屋あり、2部屋はきれいな形の1K、もう1部屋はワンルームです。
しかも、そのワンルームは、玄関を開けると室内全体が見渡せるフルオープンに近い間取りで、住居としては好まれにくい形です。

そのため、住居としても借りてもらいやすいように、キッチンスペースと奥の居室スペースの間にカーテンレールを設置し、目隠しできるようにしました
とはいえ、住居としてはやはり敬遠されやすい間取りでした。

一方で、このような間取りは、事務所用途には非常に向いています。
事務所として使う場合、キッチンスペースと寝室スペースが分かれているよりも、玄関を開けて広く使える方が、デスクや機器を配置しやすくなります。

そこで、このタイプのお部屋については、住居専用、SOHO(住居兼事務所)、事務所専用という3つの用途で募集しました。
すると、まさにこのような事務所を探していた方から申し込みが入りました。

また、住居としては賃料が下がりやすい間取りでも、事業用の方が高い賃料での成約が期待でき、この物件もその通りになりました。

また、消費税の収入が一部発生することで、こちらの賃貸オーナーにとっては税務面でもメリットがあり、総合的に考えるととても有益な空室対策となりました。

おわりに

この一棟マンションで発生した直近の空室は、前賃借人の解約日から新賃借人の賃料発生まで1か月を切る非常に人気のある物件になりました。

今現在も弊社で管理をしておりますが、当初の状況を考えると、非常に良い物件に生まれ変わった事例だと感じています。

今回の事例が、空室でお悩みの賃貸オーナーの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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