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消費貸借~お金を借りる契約~

最新更新日 2026年02月09日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

消費貸借は、賃貸管理の現場で日常的に登場するものではありません。
しかし、大家さん自身にとっては、金融機関からの借入などを通じて、極めて関わる機会の多い契約です。
賃貸不動産管理業に携わる者としては、しっかり理解しておきたい内容といえます。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「消費貸借」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

消費貸借の代表例は「借金」

金融機関からお金を借りる際には、必ず「金銭消費貸借契約」を締結します。
契約名称そのものに「消費貸借」という言葉が含まれているため、最も分かりやすい例といえます。

所有権の移転

この契約が消費貸借と呼ばれる理由は、所有権の移転にあります。

例えば、賃貸借の場合、建物を貸しても、その所有権はオーナーのままです。
「貸す=使わせる」だけであり、建物の所有者は変わりません。

一方、消費貸借では、お金を借りた時点で、そのお金の所有権は借主へ移転します。
金融機関から借りたお金は、大家さん自身のものとなり、建築費、修繕費、運転資金などに自由に使うことができます。

もっとも、契約で定めた用途と異なる使い方をすると、別の問題が生じる可能性があります。
そのため、実務上は、事前に利用目的を明確にし、金融機関と合意したうえで借入が行われますが、運転資金の場合はその自由度は広がります。

消費貸借は必ず書面で契約する

消費貸借は、数千万円から数億円、またはそれ以上の多額の金銭が動く契約です。
そのため、必ず書面で契約を締結する必要があります。

これは、金融機関との取引に限りません。
親族や友人からお金を借りる場合でも、「借りたのか、もらったのか(贈与)」といった後日の紛争を防ぐため、書面で契約することが重要です。

利息の考え方

民法上、消費貸借は原則として無利息とされています。
つまり、100万円を借りて、何年後に返しても、本来は100万円を返せば足りるという考え方です。

しかし、金融機関が無利息で貸すことはほぼありません。
そのため、実際の金銭消費貸借契約書には、利率や利息の計算方法が明確に記載され、それに従って返済していくことになります。

返済時期

金融機関からの借入では、「7年」「10年」「35年」など、返済期間があらかじめ設定されます。
融資の目的や、建物の耐用年数・物件内容等によって、期間は柔軟に決められることもあります。

返済期間が定められている場合

民法上、返済時期の定めがあっても、借主はいつでも返済することができます。
一方、貸主である金融機関は、原則として「もっと早く返してほしい」と請求することはできません。

ただし、実際には繰上返済に違約金や手数料が定められている場合がありますので、契約する際は契約書の確認は必須です。

返済期限が定められていない場合

例えば、友人間や親族間では「余裕ができたら返してほしい」といった形で、返済期限を定めない貸付もあります。

この場合、貸した側は相当期間を定めて返済を求めることが可能です。
一般的には、2週間から1か月程度が相当と考えられています。

期限の利益とは

消費貸借において非常に重要なのが、「期限の利益」という概念です。
これは、「いつまでに返してください」という返済期限は、裏を返せば「その期間中は全額返済しなくてよい」という、借主が受けている利益となります。それが「期限の利益」です。

次のような場合には、期限の利益を喪失する可能性があります。
・借主が破産(倒産)した場合
・返済の滞納が長期間続いた場合

例えば、3か月程度返済が滞り、連絡も取れない場合には、期限の利益を失い、一括返済を求められるケースもあります。

資金繰りが厳しくなった場合、最も避けるべきなのは何も連絡をしないことです。
利息のみの支払いを提案する、返済条件の見直しを相談するなど、必ず早めに金融機関へ相談することが重要です。

これは、大家さん自身にとっても、不動産業者にとっても、極めて大切なポイントといえます。

おわりに

以上、今回は消費貸借について解説しました。
お金を借りるという行為は、単なる資金調達ではなく、法的な仕組みと責任を伴う重要な契約です。
正しく理解し、健全な不動産経営につなげていただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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