「今まではスムーズに決まっていたが、今回はコロナ禍の影響もあるのか4か月以上決まらず、繁忙期が過ぎようとしているので相談したい」とお問い合わせをいただきました。
募集から1か月で申込をいただくことができましたが、諸事情で契約が破棄となりましたが、再募集開始から数日で新たに申込が入り、無事に契約することができました。
今回はこちらの物件の成約事例を紹介します。
相談時の状況
築53年とかなりの築古分譲マンションでしたが、室内は数年前にリノベーション工事して綺麗な状態になっていました。
建物全体も大規模修繕を実施していて、管理状態も良好でした。
ただ、48.62㎡とゆったりした1LDKでカップルや夫婦、子供1人くらいまでのファミリーなどがターゲットとなりますが、リノベーション工事でトイレを洗面所に設置してあることがネックでした。
また、腰窓には網戸がないこと、リビングにはエアコンがなく、設置しようにもエアコンのダクトは足場がないと設置できないことが難点でした。
それ以上に空室の要因となっていたのは、募集業者の写真のクオリティが低く、内見も立会はせずに他社任せであったことと考えられました。
このように、空室の原因は物件自体にあるのではなく、募集業者に原因があるケースは非常に多く見られます。
中には封水(トラップ)の水が無くなって下水の汚臭が部屋中に充満している場合もあり、それでは物件がいくら綺麗でも成約に至る可能性は低く、後日換気しても簡単に臭いが取れるものでもありません。
それらは募集業者が定期的に点検して水を流して換気するべきです。
写真撮影も画角が崩れて、露出・明るさも調整せず、かえって印象の悪い写真を掲載しているケースも多く見られますので、それらを気を付けるだけでも成約率は大幅に向上する場合があります。
窓用エアコン設置と希望者には簡易的な網戸設置の提案
壁掛けエアコンは次回の大規模修繕時に足場を借りて設置することにして、一旦は窓用エアコンを設置しました。
また、腰窓に網戸がないことがご案内時に懸念点として挙げられた場合は、簡易的なものを設置することを特典として募集することになりました。
募集賃料は相場と見比べても違和感はなかったため、全く同じ条件で募集することになりました。
ホームステージングと窓先風景の合成
まずはグッズを搬入してホームステージングを実施しました。
ホームステージングについてはこちらの記事で解説しています。
この賃貸物件、早く決まるのはどっち?~ホームステージングの威力~
また、このお部屋は4階でちょうど周囲に遮る建物がないため見晴らしが良く、近隣のシンボルのような建造物も眺めることができるため、あえて窓を開けて窓先用と室内用の写真を撮影し、後からPhoto Shopで合成しました。
水回りも綺麗な状態だったため、写真も良い印象に撮影することができました。
そして、SUUMOと業者間の流通サイト「レインズ」に掲載して募集を開始すると、多数の問い合わせをいただきました。
複数の内見を経て、約1か月で申込受領
その後、SUUMOからの一般のお客様、レインズから他社経由でのお客様を複数ご案内しました。
想定ターゲット通り、カップルや夫婦、小さなお子様が一人いるファミリーなどの内見がほとんどでしたが、トイレが洗面所にあることがネックとなり見送りが続いてしまいました。
ようやく単身者から申込を受理しましたが諸事情で契約破棄となってしまい、再募集を行ったところ、数日でこれから結婚されるカップルからお申込みをいただき、無事に契約が完了しました。
想定通り網戸の懸念点があったため、後日Amazonで注文したテープとマグネットで設置できる簡易的な網戸(4,681円)の設置を提案したことも成約の要因となりました。
まとめ
今回は条件変更することなく、
・ホームステージング
・一眼レフと広角レンズでの写真撮影
・Photo Shopでの合成
といった簡単な対策に加えて、
・リビングに窓用エアコンの設置
・簡易網戸の設置特典
といった対策で無事に成約することができました。
私は内見時に他社経由の場合も原則として全件立会としていますが、それは防犯以上に、その物件の魅力を一番伝えられるのは「大家さん」と「空室募集を依頼されている業者」だと考えていますので、一番魅力を知っている私が立ち会って魅力や正直に懸念点を説明し、借りていただく方の人柄を見て賃貸しても問題ないか判断するために行っています。
こちらについては以下の記事で解説しています。
入居審査時の確認事項①書類
入居審査時の確認事項②外見
入居審査時の確認事項③言動・行動
空室でお困りの場合はお気軽にご相談ください。
ご愛読いただきありがとうございました。