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住居の空室を店舗・事務所として募集した事例|賃貸併用住宅の空室対策

最新更新日 2026年07月24日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

今回は、弊社が管理している目黒区内の賃貸併用住宅において、住居として募集していた空室を店舗や事務所として募集し、成約に至った事例をご紹介します。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「住居から店舗転用で高賃料成約~目黒区賃貸併用住宅~」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

こちらの物件は、古い建物を建て替えて新築された賃貸併用住宅です。

1階には賃貸部分としてワンルームが設けられ、当初は住居としての利用が想定されていました。

オーナーの居住部分には、賃貸部分とは別の玄関から入り、2階以上がオーナーさんの自宅となっています。

当初は他の不動産会社へ入居者募集を依頼していましたが、ほとんど反響がなかったため、弊社へご相談をいただきました。

立地を分析して店舗・事務所での募集を提案

物件の立地や周辺環境を確認したところ、人通りの多い駅から徒歩10分圏内にあり、実際には駅からさらに近い利便性の高い場所にありました。

物件は商店街から少し入った場所にありますが、周辺にも店舗が点在しており、商店街まで出れば多くのお店があります。

そのため、住居として使用する方だけでなく、住居兼事務所、事務所または店舗として利用したい方の需要も期待できると考えました。

そこで、次の3つの用途で募集を行うことにしました。

① 住居
② 事務所
③ 店舗

賃貸併用住宅では業種を限定する

店舗として募集する場合でも、どのような業種でも認めるわけにはいきません。

今回の建物では、2階以上にオーナーが居住しています。そのため、不特定多数の利用者が頻繁に出入りする業種は適していません。

そこで、完全予約制の店舗やサロンなど、来店人数や営業時間を管理しやすい業種を想定しました。

また、来客の少ない事務所専用としての利用も可能とし、建物の住環境を損なわない範囲で募集条件を広げました。

内見のほとんどが店舗利用を希望

募集を開始すると、お問い合わせのほとんどが、店舗として利用したいという内容でした。

室内の作りに一部特殊な個所があり、10件以上の内見を要することになりましたが、住居としての利用を希望した方は1組だけでした。

最終的には、サロン系の事業で利用したいという方から申し込みがあり、無事に成約となりました。

このように、当初は住居として建築された物件であっても、事務所や店舗として募集することで、早期成約につながる場合があります。

店舗・事務所として募集する際の注意点

住居の空室が長引いているからといって、何も確認せずに店舗として募集することにはリスクがあります。

用途地域と用途変更を確認する

建物の所在地によっては、用途地域により営業できる業種が制限されています。

また、物件の面積や変更後の用途によっては、建築基準法上の用途変更に関する手続きが必要になる場合があります。

そのため、申込者には、希望する事業がその場所で営業できるかどうかを、契約前に確認してもらう必要があります。

貸主や管理会社側も、用途地域や建物の構造、管理規約などを確認し、問題が生じる可能性がある場合には、契約前に専門家や行政へ相談することが重要です。

排水設備への影響に注意する

住居用として建てられた物件は、店舗用の設備を前提としていない場合があります。

例えば、オイルを使用する業種が入居し、使用したオイルを排水口へ流してしまうと、排水管の詰まりや漏水の原因になる可能性があります。

オイルや薬品などを使用する業種では、使用方法や処分方法を事前に確認し、排水口へ流さないよう契約書で定めておく必要があります。

事業ごみは事業者が適切に処理する

事業活動によって発生したごみは、基本的に一般家庭から出るごみと同じ方法では処分できません。

事業ごみについては、原則として事業者自身の責任で、許可業者への委託などにより適切に処理してもらう必要があります。

実態としては、家庭ごみと何ら変わらないものしか出ない場合は、家庭ごみとして出されているケースも散見されますが。

店舗・事務所募集は賃料上昇につながる可能性もある

今回の物件では、通常の住居として募集する場合を前提にすると、やや高い賃料を設定していました。

住居としての問い合わせが少なかったことから、居住用物件として見ると、賃料が割高に感じられていた可能性があります。

一方で、店舗や事務所として使用する方にとっては、立地や外観、営業上の利便性に価値があるため、住居よりも高い賃料で成約できることがあります。

店舗や事務所は、住居よりも賃料単価が高くなるケースがあるため、用途を広げることによって、空室期間の短縮と賃料収入の向上を両立できる可能性があります。

まとめ|空室が長引く場合は用途を広げて検討する

住居として募集しても反響が少ない物件では、立地や建物の特徴によって、店舗や事務所としての需要が見込めることがあります。

ただし、用途地域、用途変更、業種、来客数、騒音、排水設備、事業ごみなどについて、事前の確認が必要です。

特に賃貸併用住宅では、同じ建物内にオーナーが居住しているため、営業する業種や利用方法を慎重に判断しなければなりません。これは通常のアパートやマンションでも同様です。

現在空室でお困りの場合や、空室になるたびに募集が長期化する物件では、住居だけに限定せず、事務所や店舗として募集する方法も空室対策の一つとして検討する価値があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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