前回は入居者募集サイトの攻略①ということで、主に賃料や駅徒歩、間取りタイプは少しの工夫や発想で検索のヒット率や問い合わせ数を増やせるという旨をお伝えしました。これらは賃貸物件を探す全ての人が検索する際に入力する項目です。
今回は特定の希望条件のために良い物件と巡り合えない一部の人達が、大家さんの少しの工夫で良いご縁が結べる可能性のある検索項目について対策と注意点をお伝えします。
入居者募集サイト「SUUMO」で検索ページを少しスクロールすると、以下のようなチェック欄があります。
赤枠の項目を一つずつ見ていきましょう。
最近は防犯に対する意識が高まっているため、お部屋探しをする方はできればオートロック付き、最低でもTVモニター付きインターホンが付いている物件を希望、というケースが増えています。
その反面、インターホンが付いている物件であれば、既存の配線を利用してT Vモニター付きインターホンの設置も可能となりますが、インターホンがない物件の場合は別途配線工事が必要となるため、費用が高くなることを懸念して導入を見送っているケースも散見されます。
パナソニック社から配線工事不要の製品(VS-HC400、執筆時点)が出ており、このような製品を設置することでチェック欄を一つ埋めることができ、問い合わせや成約に繋がる可能性があります。
ペットを飼育できる物件は賃貸業界では圧倒的に少ないです。このブログを執筆している時点で「SUUMO」を以下のように検索してみました。
東急目黒線全駅を無条件で検索 →29,467件該当
上記+「ペット相談可」にチェックで検索 →4,935件
結果、東急目黒線ではペット相談可は16.7%で、残り83.3%はペット不可ということになります。つまり、ペット相談可にすることで希少価値の高い物件となり、問い合わせ数や成約率の向上に繋がります。
しかし、ペット不可の物件をペット相談可に変えると主に以下のようなリスクが伴います。
・犬や猫のアレルギーがある入居者からのクレーム
・犬や猫の鳴き声や足音によるクレーム
・臭気の付着や内装の破損・汚損による原状回復
上記リスクを考えると、特殊な状況でない限りは途中から犬や猫を可能とするペット相談可にするのはオススメできません。私が推奨するのは、小動物のみ可能とするペット相談可です。
うさぎやフェレット、爬虫類、小鳥などを飼っている方はペット相談可の物件から探す方も多く、なかなか物件が見つけられないというケースが少なからずあります。物件に対するリスクは限りなく低いのですが、お部屋探しの方が空室募集している不動産管理会社に確認しても「ペットはダメです」と頑なに断られるケースが多いです。
チェックボックスは「ペット相談可」のみとなりますが、備考欄に「小動物のみ相談可能」と記載し、問い合わせが入った際に個別で確認をすることで、問い合わせ数や成約率を向上させることができます。
グランドピアノやアップライトピアノ、管楽器、打楽器、弦楽器、声楽などは防音設備の整っていない建物では避けた方がいいと思いますが、電子ピアノやエレキギターなど音量調節できる楽器であれば物件によって相談可能とすることをオススメします。
その際、木造で界壁(隣室との境の壁)が薄く、両隣に世帯があるお部屋などではやめておいた方がいいと思いますが、鉄筋コンクリート造で界壁にもコンクリートが打たれている物件や、三方角部屋で隣の世帯との間にはユニットバスやトイレといった水回りがあり、実質的に居室部分は隔離されている物件などは、楽器の種類や演奏時間を指定して相談可能とすることで、検索のヒット率を高めることができます。
最近では居室が防音室になっている「音楽マンション」は非常に注目を浴び、建築費は通常のマンションに比べて高くなりますが、賃料は相場に比べて大幅に高く設定しても成約しています。一つの案として、どこか1室を防音仕様に変更し、レンタル防音室付き物件として募集するのも大きな差別化になると思います。
私個人は将来的に、楽器の演奏や映画鑑賞、パーティーなどで使用できる多目的ルームを共用スペースとして設けたコミュニティ賃貸マンションを運営することが密かな夢です。
このように、賃貸管理会社と協力して一つずつ条件を見直して少しの可能性でも広げることによって、早期成約に繋がっていきます。次回は入居者募集サイトの攻略③ということで、残りの項目についてお伝えしていきたいと思います。
ご愛読いただきありがとうございました。