現在、弊社で管理している品川区内の単身用中心44戸一棟マンションの空室対策事例を紹介します。
約5年前にご相談をいただいた際は、既存の管理会社に不満があるため、新しい管理会社を探しているとのことでした。
しかし、いつも退去が発生すると長期空室になる傾向があり、その時点でも1年以上空室のお部屋がありました。
現地調査
2戸の空室がありましたが、そのうち両方に共通する問題に加えて、1年以上の空室には別の問題もありました。
封水切れ
1年以上空室となっていた住戸では、完全に封水が切れていました。
玄関を開けた瞬間、強い下水臭が室内に充満している状態です。
しかも、水道契約も停止されていたため、そのままでは封水を補充することもできません。
そこで、ペットボトルで水を持参し、キッチンや洗面台、浴室などの排水トラップへ水を流して封水を補充しました。
しかし、臭いはクロスや床材にも染み込んでおり、臭いは取れませんでした。
封水切れをはじめとする長期空室時に発生しやすい問題はこちらで解説しています。
内見時に嫌われる環境~長期空室への備え~
冷蔵庫置場問題
前記のお部屋では、冷蔵庫置場の幅が約52cmでした。
また、この建物は比較的新しい棟と、昭和に建築された棟を接続した構造になっており、昭和築のお部屋はリノベーション済みでした。
しかし、キッチンは大型の製品が設置されており、それの影響でこのお部屋も冷蔵庫置場の幅が約52cmになっていました。
この幅の場所に設置できる冷蔵庫はかなり限定されますので、「今使っている冷蔵庫が入らない」という声が出る可能性が十分にありました。
空室対策
この2室を募集するにあたり、以下の対策を行いました。
内見前の充分な換気
弊社では、内見は全件立ち会いますが、この物件では特に早めに来て、全ての窓や扉を開けて換気を行うようにしました。
当時所有していた5~6万円程度のオゾン消臭機も試しました。
しかし、期待したほどの効果は得られませんでした。
機械の性能によるものなのか、臭気の強さによるものなのかは分かりませんが、結果としては換気を徹底する方が効果的だと判断しました。
冷蔵庫プレゼントキャンペーン
最も特徴的だった対策が、冷蔵庫プレゼントキャンペーンです。
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冷蔵庫置場が狭いという問題に対して、
「この物件に適合する冷蔵庫をプレゼントします」
という募集条件を設定しました。
当時購入を想定した冷蔵庫は1台あたり3万円前後だったと思います。
空室が長引くことを考えれば、十分に費用対効果が見込めると判断しました。
キャンペーンへの反応
内見時には、普段から先にデメリットから説明するようにしています。
「冷蔵庫置場が少し狭いので、現在お使いの冷蔵庫は入らない可能性があります。」
すると、想定通り「今の冷蔵庫は入らないから、買い替えが必要」という懸念点が出てきます。
そこで、
「現在、適合する冷蔵庫をプレゼントするキャンペーンを行っています」
と説明すると、「それなら問題ない」と非常に良い反応をいただくことができました。
1か月以内で満室
こうした対策を実施した結果、夏場という比較的需要の少ない時期にもかかわらず、2部屋とも1か月以内に成約しました。
冷蔵庫プレゼントキャンペーンはコロナ禍だけで、落ち着いてからは実施しなくなりましたが、その後は安定した稼働を続けています。
現在の状況
現在では、繁忙期なら数日、閑散期でも概ね1か月以内に成約しています。
また、退去率自体も比較的低く、安定した運営ができています。
また、新しい方の棟も1室のみフルリフォームを行いました。
この部屋は前管理会社が最後に入れた入居者でしたが、退去後の室内状態が非常に悪く、総合的に考えた結果としてやむを得ずフルリフォームを実施した状況でした。
せっかくフルリフォームを行ったため、現在は賃料の上限を探る目的で、かなり強気の設定で募集を行っています。
おわりに
今回の事例からお伝えしたいことは、空室対策は「原因を特定することが最も重要」ということです。
「リフォームをすれば決まる」
「設備を交換すれば決まる」
と、テクニックに興味を惹かれる賃貸オーナーも多いのですが、原因の特定を間違えてしまうと、多額の費用をかけても効果が出ないことがあります。
今回の事例では、その原因に対してピンポイントで対策した結果、早期成約につながりました。
また、リフォームやリノベーションを行う際、家具や家電の配置から逆算して、間取りや設備を考える必要があります。
実際に別のファミリータイプの人気物件では、もともと設置されていた180cm幅のキッチンを、あえて150cm幅のキッチンへ変更しています。
普通に考えるとキッチンを小さくするのはマイナスに見えるかもしれません。
しかし、その結果、
・冷蔵庫スペースが拡大して、大型冷蔵庫も設置可能
・通常サイズなら余ったスペースにゴミ箱や小棚も置ける
といったメリットが大きく、それが決め手になっているケースも少なくありません。
ぜひ今回の事例も参考にしていただき、ご自身の物件に合った空室対策を検討していただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


