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不動産オーナーも管理会社も知っておきたい「共有」の基礎知識

最新更新日 2026年02月02日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

賃貸仲介・賃貸管理では、共有状態の建物を扱うことは少なくありません。また、大家さんも不動産の共有者の一人であるという状況も同様です。
その際、窓口となっている共有者の一人だけとやり取りして契約や修繕を進めていくと、思わぬ事態でトラブルに発展することがありますので、共有に関する法律上の定めは必ず知っておく必要があります。

今回は、賃貸仲介・賃貸管理に携わる方、共有者の一人であるオーナーには必ず知っておいてもらいたい「共有」の基礎知識を解説しました。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「共有」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

共有はどのように発生するのか

共有状態になる経緯は様々ありますが、代表的な例を2つ紹介します。

購入時に発生する共有

例えば、夫婦でペアローンを組み、それぞれ2分の1ずつの持分で購入する場合や、10分の7と10分の3といった割合で所有するケースです。
賃貸管理の現場でも、こうした共有名義のマンションや一戸建ての管理を受託することは珍しくありません

相続によって発生する共有

一方で、実務上より多いのが相続によって発生する共有です。
例えば、父親が所有していた不動産を、母親と子どもが相続し、親子で共有するケースや、親が亡くなった後に兄弟で相続し、兄弟間で共有状態になるケースなどが挙げられます。

持分についても、半分ずつの場合もあれば、10分の3と10分の7といった形になることもあります。(40分の3、20分の9、またはそれ以上にもっと複雑なケースもあります)

共有不動産で重要になる「三つの行為区分」

共有状態の不動産について何か行為を行う場合、誰の同意が必要なのかが非常に重要になります。
共有で知っておかなければいけないのはこの部分になります。

①保存行為

保存行為とは、不動産を維持・保存するために必要不可欠な行為を指します。
これは、共有者のうち誰か一人が単独で行うことが可能とされています。

賃貸管理の場面では、修繕や原状回復をはじめ、建物を守るための最低限の対応が該当します。
また、一例として、空き家だと思っていた建物に第三者が勝手に住み着いていた場合に、その者に退去を求める行為も保存行為に含まれます。

②管理行為

賃貸管理の実務で最も関わることが多いのが、この管理行為です。

具体的には、
・賃貸借契約の締結
・家賃滞納が続いた場合の契約解除
・家賃アップを目的としたリフォーム

などが該当します。

管理行為を行うには、共有持分の過半数の同意が必要です。
ここで注意すべき点は、「過半数」とは半分を超えることを意味する点です。

例えば、兄弟二人がそれぞれ2分の1ずつ持っている場合、一方だけの同意では足りません。
なぜなら、「過半数」は半数を超える必要がありますので、2分の1だと半数止まりになってしまいます。

ただ、一方が10分の6、もう一方が10分の4を持っている場合には、10分の6を持つ側の判断だけで管理行為を行うことができます。

③変更行為

変更行為に該当するものについては、共有者全員の同意が必要となります。

代表的な例としては、
・不動産全体の売却
・建物の建替え

などが挙げられます。

親子や兄弟で共有している建物を取り壊して建て替える場合には、全員の同意が前提となります。

実務上、たまに出てくるのが持分のみの売却です。
一例として、夫婦で共有名義として購入したものの、離婚に至ってしまったケースです。

一方が売却に反対した場合、物件全体を売却することはできません。
また、相手に持分を買い取る資金力がなく、反対に持ち分を買い取らせて欲しいと言っても拒否される可能性があります。

そのような場合、自分の持分だけを第三者に売却するということは可能です。
ただし、持分のみの売却価格は、通常の市場価格よりも大きく下がるのが一般的です。

共有物分割請求とは

持分を買い取った不動産業者などは、最終的に共有物分割請求を行うことがあります。

まずは交渉により、
・共同で売却し、現金を持ち分に応じて分配する
・持分を買い取る
・持分・買い取ってもらう

といった提案がなされますが、合意に至らない場合には裁判となります。

そして、共有物分割請求の結果としては、一般的に「換価分割」で決着することが多いですが、共有物の分割方法には3つのパターンがあります。

現物分割

現物を持分に応じて分ける方法ですが、不動産の場合は困難です。
建物をパカっと半分に割って「こっちはあげる」とは言えないですからね・・・

代償分割

例えば、二人で共有している不動産があった場合、Aの持分をBに全て渡し、Bはその分の現金をAに渡すという方法です。
その代わり、Aの借金をBが肩代わり(債務引受)するという方法もあり得るかもしれません。

換価分割

不動産を売却して現金化(換価)し、その現金を持分の割合で分配するという方法です。

不動産業者が持分を買い取る場合は、最終的には売却することを目的としています。
そのため、相手方の持分も取得して転売する場合は、所有権移転の伴う登録免許税や不動産取得税が発生すると費用もかさむので、換価分割で決着する(させようとする)ケースが多い印象があります。

さいごに

賃貸管理の現場では、特に管理行為に該当する場面が多く、過半数の同意が得られているかどうかの確認が不可欠となります。この点を理解しておくことで、トラブルやリスクを大きく減らすことができます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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