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弊社はなぜ管理戸数に上限を設けるのか?

最新更新日 2025年09月13日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

多くの不動産会社や賃貸管理会社がありますが、「管理戸数をいくらまでしかやりません」と上限を設けている会社を私は見たことがありません
その中で、弊社があえて「ここまでしかやりません」という上限を設けているのはなぜか、不思議に思われる方も多いと思います。
その背景にある想いや理由について紹介いたします。

なお、弊社の受託可能件数と残りの枠は会社概要で公開しています。

通常の会社の方針

通常、会社である以上は利益を追求し、規模を拡大していくことが使命となります。
賃貸管理会社の場合は、できるだけ管理戸数を多く受託し、売上を上げることで社員数を増やし、支店展開などを行い、社会的意義としても多くの雇用を生み出していく、これは会社が求めるべき姿かもしれません。

しかし、弊社はそれを理解した上であえて上限を設けました。
その理由は、多くの賃貸管理会社の実態にあります。

賃貸管理会社の実態

小規模な賃貸管理会社では、仲介と管理を同じ担当者が兼任しているケースが多いですが、規模が大きくなると仲介部門と管理部門を分けることが一般的です。
そうすると大きな問題が生じます。仲介部門はお部屋探しや空室募集を通じて明確な売上が発生し、給与や賞与、役職などに直結しやすいため数値化が容易です。ところが管理部門は、成果を数値で評価しにくいのです。

例えば、担当者の努力によって大きなトラブルが未然に防がれたり、入居者が長期入居してくれたりしても、それを数値で査定することは困難です。
そのため、管理担当者は努力しても評価されにくく、多くの会社では仲介に営業力のある人材を集中させて売上を上げ、管理部門には少人数に多くの物件を担当させることで経費を抑え、管理戸数を増やして利益率を上げる方針を取ります。

実際に、私の経験では、一人の管理担当者が1200戸を担当していたケースを見たことがあります。800戸や500戸を担当しているのは珍しくありません。
そのような状態では、管理担当者は仕事に追われ、入居者や大家さんへのレスポンスは遅れ、トラブルが増加します。
さらに勉強の時間も取れずスキルも上がらず、慎重に進めるべき対応も安易な対応になってしまって問題が悪化するケースもあり、悪循環に陥ります。

弊社にご相談いただく大家さんの多くも「最初は良かったのに、だんだん対応が遅くなった」「知識不足で安易な回答ばかり」といった不満を抱えて、賃貸管理会社を変えたいとご相談をいただいています。
だからこそ弊社は、同じような状況に陥らないために管理戸数に上限を設けています。

弊社の存在意義

弊社の存在意義は、大きく分けると2つあると思っています。

存在意義1:スピード

入居者からの問い合わせには迅速に対応し、トラブルの炎上を防ぐことを重視しています。
また、大家さんには色々な悩みごとや不安がありますので、ご質問やご相談いただいた際には迅速に回答し、不安を和らげることも大事な務めだと思っています。

存在意義2:スキル

時間がなければ勉強や改善のための工夫はできません。
講習や読書、調査、改善への思索に時間を割くことでスキルを高め、安心して任せ続けていただける状態を維持することが重要だと考えています。

そのため弊社では、一人の管理担当者が担当するのは上限200戸までと定めています。
ケースによっては250戸にすることもありますが、基本的にそれ以上にするつもりは一切ありません。
品川区・目黒区をはじめとする城南エリアの特性を踏まえても、その戸数で十分に成り立つと考えています。

それにより、しっかりと時間を確保しながら、不測のトラブルが複数重なっても迅速に対応できるようにし、それでいて充分な収入も得られるようになると考えています。

今後の展望

さらに、組織の規模の上限も重視しています。
責任者1人に対して8~10人程度のチームが最も目が行き届くといわれており、私が修業時代に部長を務めていた頃も同じ感覚を抱いていました。
営業や管理を担当する現場対応スタッフは3人ほど、それぞれに事務スタッフが1~2人ほど付き、全体で10人程度の組織が理想だと考えています。
これによりレスポンスも早く、万が一私を含めたスタッフに病気や怪我といった不測の事態が発生した場合でも、他のスタッフでサポート体制が取れると考えています。

上記の理由から、弊社は管理戸数に上限を設けて取り組んでいます。
また、弊社では「ぜひ管理を任せてください」といった営業は一切行いません。
お互いが「任せたい」「任せてほしい」と思えた時に初めて管理の具体的な話を進めるのが健全だと考えているからです。

実際に、物件購入を検討されている方に対して「その物件はリスクがあるので買わない方が良い」とお引き留めしたこともあります。
現在の賃貸管理に不満をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。

以上となります。ありがとうございました。

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