品川目黒不動産管理株式会社の三好です。
今回は「管理委託料・管理手数料0円(無料)のトリック」というテーマで解説します。
これから賃貸管理会社を変えたい、あるいは今までご自身で管理をしていたけれども、誰かに管理を任せたいと考える際には、新たな賃貸管理会社を探すことになると思います。
インターネットで探し始めると、検索結果の上位に表示されるのは「管理料0円」を謳う業者です。
一見すると「0円なら安くて良い」と思う反面、「なぜ0円なのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、その0円のトリック、裏側について解説し、その上で管理委託料を払って任せるべきなのか、あるいは0円の業者に任せるべきなのか、判断の材料をお伝えできればと思います。
①家賃保証会社
まず1つめは保証会社です。
保証会社には多くの会社があり、それぞれプランが分かれています。
居住用物件の場合、最初のご契約時にかかる保証委託料は、どの会社でも大体50%です。
これは大家さんではなく、賃借人が負担します。例えば、賃料と管理費の合計が10万円であれば、賃借人は5万円を支払い、保証会社に加入する仕組みです。
ところが、家賃保証会社と賃貸管理会社の協定次第では、この初回保証料を100%にすることが可能です。
50%から100%に引き上げることで増えた分は、多くの割合で賃貸管理会社に手数料として入ります。
また、保証会社には継続保証料もあります。
例えば、1年ごとに1万円や1万数千円を支払うプラン、あるいは1年ごとの費用は不要な代わりに、毎月賃料の1~2%を支払うプランなどです。
弊社で取り扱っている保証会社では、初回50%、1年ごとに13,000円(以前は1万円でしたが値上げがありました)を賃借人が負担し、毎月の費用はありません。
一方、別の不動産会社が扱う信販系の保証会社では、初回50%、その後の年間保証料は不要な代わりに、月次保証料として毎月総賃料の1%を支払う仕組みになっています。
しかし、年間保証料と月次保証料を両方課すことも可能です。こうして借主の負担を増やすことで、その増えた分は管理会社の利益となります。
現在、保証会社の普及率は非常に高く、個人契約の多くは保証会社の加入が必須となっています。したがって、この仕組みを利用し、キックバックを得ることが管理料0円業者の収入源の一つとなっています。
②24時間サポート
2つめは「24時間サポート」です。
名称はさまざまですが、365日24時間いつでも連絡でき、緊急対応が可能なサービスです。
これは一見大家様が負担するものに思えますが、実際には借主が負担するケースがほとんどです。
金額は会社によって異なりますが、月額400円台や2年で8,000円程度が仕入れ値です。
それを月額1,500円や2年で15,000円に上乗せして賃借人に加入させ、その差額が賃貸管理会社の利益になります。
さらに、管理会社にとっては本来対応すべきトラブルを借主負担で外注できるため、手間を省くことにもつながります。
③オプション
3つめは「オプション」です。
消火設備や室内消毒費などを強制的に付帯させる例もあります。
こちらの仕入れ値と売値の差額分は賃貸管理会社の利益になります。
④キックバック
4つめは、日常清掃や消防点検、エレベーター点検といった定期業務も、本来の金額に上乗せして、その差額を利益とすることがよくあります。
原状回復工事やリフォーム工事でも、工事費用を10%程度、場合によっては50~100%も水増しして、紹介料や業務委託料の名目で受け取るケースも少なくありません。
有料と無料、どちらが良いのか?
このような実態を踏まえ、管理委託料を3%や5%支払って明朗に管理を任せる方が良いのか、それとも0円の業者に依頼するのが良いのかは、大家さんの判断となります。
ただし、借主に課せられるオプション費用を考えると、10万円の物件に5,000円の追加費用がかかれば、実質的には10万5,000円で募集して、5,000円の管理委託料(約5%)を支払っているのと同じです。
そのうえ、工事費の水増しによって、結果的に大家さんの支出が増えることもあります。
キッチンなどの設備の多くは業者向けの掛け率で仕入れられるにもかかわらず、大家さんがその仕組みを知らないために定価に近い金額を請求されることも少なくありません。(メーカーによります)
その結果、相場より数十%高い費用を負担するケースもあります。
したがって、大家さんとしては、金額よりも賃貸管理会社がどのようなサポートを提供し、窓口となる担当者が信頼できる人物かどうか、実力があるかどうかといった点を重視した方が、長期的に見ればメリットが大きいとも思います。
特に地主系の大家さんや法人で不動産を保有している方にとっては、収支も重要ですが、長期的な管理体制や信頼関係の方が大切です。
そのため、弊社では「管理料が安いかどうか」だけでなく、実際のサポート体制や信頼性で判断いただくことをお勧めしています。
不動産業界はブラックボックスの部分が多いですが、今回は「なぜ管理料が0円なのか」という裏側について解説いたしました。
参考になれば幸いです。ありがとうございました。