暑い季節になると頻繁に大家さんや不動産管理会社に問い合わせが来るようになるのが「エアコンのトラブル」についてです。
前回は「エアコントラブル対応方法①」ということで、以下の①~②についてお伝えしました。今回は後編ということで、③~⑤の対応方法についてお伝えしていきたいと思います。
まず、代表的な「エアコンのトラブル」には以下のような種類があります。
①エアコンから冷気(暖気)が出てこない
②エアコンが作動しない
③エアコンから水が漏れてくる
④エアコンから異音がする
⑤エアコンから異臭がする
エアコンの水漏れのほとんどは、エアコン本体の排水部分、または排水ドレンの”詰まり”が原因です。エアコン内部には水分が発生しますが、それを排水する部分にほこりやカビが詰まってしまい、排水されなくなった水があふれてエアコン本体から出てきてしまいます。
写真のようなポンプの先端を排水ドレンに差し込み、ポンプを引いた圧力で詰まっているものを取り出せば解決します。大きな注意点は、ポンプを押してしまうと中に溜まっている水が勢いよく室内に漏れてしまいトラブルになるため、ポンプを引く際は外して押してから、差し込んで引くようにしましょう。
ちなみに、写真の製品は私も利用している「これカモ 真空式パイプクリーナー」という製品ですが、先っぽの細くなっている部分は「先端パーツ」として別売りになっているため気を付けましょう。セット販売のものもあります。
それでも直らない場合は、前編の①と同じように対応し、製造年によって「交換」、またはメーカーによる「修理」を判断していきます。
異音の場合の多くは部品交換で直るため、まずは入居者様からメーカーに直接問い合わせて修理を依頼もらうようお願いしましょう。
再度注意点をお伝えすると、交換や修理の日程調整は必ず入居者様と業者(メーカー)で直接やり取りしてもらうよう手配することです。大家さんや賃貸管理会社が好意で仲立ちになろうとすると、なかなか日程調整がうまくいかない可能性があるためです。
業者が修理・交換する場合は、入居者様に連絡先を業者に伝えていいか事前に了承を取り、業者に入居者様の連絡先や状況を伝えて、直接日程調整の連絡をしてもらうよう依頼します。
メーカー修理の場合は、入居者様からカスタマーセンターに直接連絡して修理依頼をしてもらうよう依頼します。その際、修理の可否に問わず、「出張料(3,000円~5,000円)」が発生しますので、出張料の金額と訪問日が決まったら報告をもらうよう伝えます。
異臭の原因はエアコン内部のカビが原因です。スプレーで消臭してもすぐに効果がなくなってしまうため、分解洗浄が必要となります。しかし、古いエアコンやお掃除機能付きなどの高性能なエアコンを分解洗浄してしまうとエアコンが壊れてしまう可能性があるため、クリーニング業者もやりたがらないケースが多いです。
また、エアコンの内部洗浄を行う場合も工務店や電気屋さんに依頼してしまうと、手数料分が付加されてしまうことや、クリーニングのついでではなく入居中の対応となってしまうため、2万円以上かかってしまうケースが多いです。クリーニングはメーカーに直接依頼しても同じような金額になってしまいます。エアコンクリーニング業者を見つけて直接依頼すれば、1万円前後~1万円前半で行うことができます。
まずはエアコンクリーニングを行う業者に前編の①と同じように製造年の記載のある部分を写真で送ってもらい、製造年や型番(型名)をもとにクリーニングの可否を確認しましょう。
今回は代表的な5つの不具合についてお伝えしましたが、「エアコンのトラブル」と一口に言っても内容は多岐に渡ります。判断を誤ってしまうと別のトラブルにも繋がってしまうことがありますので、状況に合わせて適格な対応を行うよう心掛ける必要があります。
また、不動産管理会社の多くは、エアコンの不具合による問い合わせが入るとすぐに工務店やリフォーム業者に依頼しています。しかし、結局は工務店等もメーカーやエアコン業者、エアコンクリーニング業者を手配し、手数料を受領する流れになってしまうため、対応費用が多くなってしまいます。本来は賃貸管理会社が症状やエアコンの状況別に判断し、最も早く安価に対応できるよう舵取りするのが務めだと思います。
ご愛読いただきありがとうございました。