前回は「入居者募集は何社がベスト?①」ということで、入居者募集の実情についてお伝えしました。
しかし、前回の説明では以下の2つの疑問が残ります。
・複数に任せれば競争意識が働く
・一社に任せると慣れてきて手を抜いてくる
これら2つの根本は一緒で、「任せた不動産会社が責任を持って取り組んでくれるか」ということです。そのための対策として「複数社で競い合って気を抜かずに仕事してほしい」との想いから複数社に依頼することになります。
丸投げで一社に任せるより不動産会社の意識は高まると思いますが、もっと効率的な方法があります。
それは・・・
それでは、いくつか質問させてください。
おそらく、上記質問の3つとも後者を選ぶ方がほとんどではないでしょうか。
入居者募集で置き換えると、不動産会社は3社の一般媒介よりも専任媒介が欲しく、そのために全力で取り組む必要があれば労力を惜しみません。また、複数社のうちの一社として取り組む場合だと「他で決まるかもしれないけど、やらないよりはやった方がいいから、とりあえず募集しておこう」と消極的になってしまいますが、「御社だけに依頼するので早く良い入居者さんが見つかるように募集をお願いします」と言われれば、熱を入れて取り組むようになります。
ただし、丸投げし続けてしまうと「あの大家さんは何も言わないから」と段々手を抜かれていってしまうのも事実です。
そのために、賃貸募集する際にはどのような方法で行うのか確認しましょう。入居者募集サイトに掲載している場合は、例えば「SUUMO」であれば、パソコン版だと以下のような検索欄がありますので、社名や屋号で検索するとその会社が募集している物件情報が検索できます。(スマートフォン版だと検索できないためお気をつけください。)
募集方法も問題がなければ、
と伝えれば、「1か月以内に決めるぞ!」と頑張ってくれます。
人というのは欲しいものを手に入れたい欲望よりも、持っているものを失う恐怖の方が強いため、「3社の中で頑張って」というより、「手を抜くと他に依頼することも検討する」と発破をかけた方が成果は期待できます。
つまり、冒頭の「入居者募集は何社に依頼すればいいの?」の答えは、「実力があり、責任を持って取り組んでくれる一社に任せ、手を抜かせないよう一定の緊張感を持たせる」ことです。
万が一入居者間のトラブルが発生した際、部屋毎に客付けした不動産会社がバラバラだと「隣室は知らない」と相手にしてもらい可能性があります。また、他社との競争だと人柄の良くない入居者でも成績を求めて無理に契約を進めようとする可能性が高く、入居後のトラブルが頻発するリスクが高まります。
信頼できる一社に任せるメリットは、そのようなトラブルが発生する可能性が低くなり、例えば「御社だけにお願いするから、人柄の悪い人だけは入れないように気を付けてもらいたい」と伝えれば、大家さんの意向を最大限汲むように努めてくれます。
複数社に依頼するより、一社と緊張感を持った関係性を継続するのは多少の労力が発生しますが、しばらく時間が経つとかえってツーカーの仲になり、それ以上の成果とトラブル対策に繋がりますので、ぜひ検討されることをオススメします。
ご愛読いただきありがとうございました。