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意外と関わる「登録免許税」とは

最新更新日 2026年03月20日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

「登録免許税」は、名称だけだとイメージの湧かない税金です。

一般的には、不動産を購入したときに「不動産取得税」とセットで課税されるものというイメージが強い税金ですが、近年では法改正により義務化されたことがあり、それによって不動産を所有している人には皆さんに関係する可能性の高い税金になりました。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「登録免許税」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

登録免許税がかかる主な場面

登録免許税は、登記をするときにかかる税金です。
不動産に関して代表的なのは、次のような場面です。

所有権保存登記

まず、建物を新築したときです。
新しく建物が完成すると、「この建物は自分のものです」ということを登記簿に記録する必要があります。これを所有権保存登記といいます。このときに登録免許税が発生します。

所有権移転登記

次に、不動産を売買したときです。
建物や土地を他人に売却した場合、もともと持っていた人に税金がかかるのではなく、不動産を取得した側が所有権移転登記に伴って登録免許税を負担するのが原則です。

抵当権・根抵当権の設定登記

さらに、金融機関から融資を受ける場合も重要です。
大家さんが建物を建てるとき、多くの場合は金融機関から借入れを行います。その際、金融機関はかなり高い確率で抵当権または根抵当権を設定します。この権利を設定する登記をするときにも、登録免許税がかかります。

変更登記

そして、実務上かなり登場回数が多いのが変更登記です。
代表的なのは、住所変更登記と氏名変更登記です。

以前は任意でしたが、登記簿上の住所や氏名が実態と異なったまま放置されることで、後に相続や売買の場面で連絡が取れず、大きなトラブルになるケースが増えました。
そのため、現在は変更登記が義務化されており、正当な理由なく放置すると、将来的に罰則の対象になる可能性もあります。

登録免許税のかからない登記

反対に、登録免許税がかからない登記もあります
建物を新築した際には、「こういう建物が建ちました」という建物の物理的な内容を登記します。
これを表示登記といいますが、この表示登記については、登録免許税はかかりません

つまり、同じ「建物が建ったときの登記」でも、
・建物の内容を登記する表示登記
・所有者を登記する所有権保存登記

は別物であり、税金がかかるのは後者だという点は整理しておきたいところです。

登録免許税の計算方法

大家さんに特に関係が深いものに絞って、計算の考え方を見ていきます。

所有権保存登記は、「固定資産税評価額の0.4%」となります。
法律上は「4/1000」と表記されますが、実務上は0.4%と覚えておけば十分です。

融資を受けて抵当権を設定する場合は、「債権額の0.4%」が基本です。
例えば、1億円借りて抵当権を設定した場合、1億円に対する0.4%が登録免許税になります。

ここで注意したいのが、根抵当権です。
賃貸物件では、抵当権よりも根抵当権が設定されるケースが珍しくありません。なぜなら、賃貸経営では建築時の借入れだけでなく、将来の大規模修繕や追加融資が必要になることがあるからです。

例えば、実際に借りた金額が1億円でも、根抵当権の極度額は1億2,000万円というケースがあります。
この場合、登録免許税は実際の借入額1億円ではなく、極度額1億2,000万円に対して0.4%かかります。

したがって、抵当権よりも根抵当権の方が、登録免許税が高くなることがあります。

自己居住用の軽減措置

個人が自分で住むためのマイホームについては、保存登記、移転登記、設定登記などで、登録免許税の軽減措置が設けられています。

一方で、大家さんが事業として行う集合住宅や賃貸物件については、自己居住用ほど強い軽減はありません。
つまり、自宅用の不動産の方が税制上優遇されているということです。

実務で特に大事な「変更登記」

今回、大家さんに特に覚えていただきたいのは、変更登記です。

大家さんも、引っ越しをしたり、婚姻や養子縁組などで氏名が変わったりすることがあります。
そのようなときは、登記簿上の情報も合わせて変更しておく必要があります。

変更登記の登録免許税は安く、1件につき1,000円です。
ただし、ここで注意が必要です。
「土地と建物でまとめて1件」ではありません。不動産ごとに1件です。

例えば、土地1筆、建物1棟という場合は、2件で2,000円になります。
さらに、土地が2筆、建物が1棟なら3件で3,000円になります。

建物が区分登記されている場合はさらに件数が増えます。
それでも、他の登録免許税に比べればかなり安い部類ですので、早めに対応しておいた方がよいと思います。

登録免許税の納付方法

保存登記、移転登記、抵当権設定登記などは、通常、司法書士に依頼することがほとんどです。
このとき、初めて依頼する方が驚かれるのが、見積金額の大きさです。

例えば、見積もりが110万円だったとしても、その大部分は司法書士報酬ではありません。
実際には、司法書士報酬、実費、登録免許税が合算されていることが多く、大半は税金です。
つまり、司法書士に高額な報酬を払っているように見えても、実際にはその多くが国に納める税金だということです。

この点は、見積書の内訳をしっかり見る習慣をつけておくと安心です。

変更登記は自分でできる

一方で、住所変更登記や氏名変更登記のような変更登記は、比較的シンプルです。
司法書士に依頼すると数万円かかることもありますが、本人申請で対応できるケースも少なくありません。

申請方法は法務局の案内やインターネットで調べることができますし、法務局に持参すれば、ある程度教えてもらえることもあります。
もちろん、平日に時間が取れない場合や手続きに不安がある場合は司法書士に依頼した方が安心ですが、近くに法務局があり、ご自身で動ける方であれば、一度挑戦してみる価値はあると思います。

納付方法も、
・現金(実際には、金融機関で納付し、その領収書を添付して申請)
・クレジットカード
・(3万円までなら)印紙

などがあり、住所変更登記のような少額のものは印紙で対応することが多いです。

法務局の近くには印紙売り場があることが多いので、その場で購入して貼付することも可能です。

おわりに

登録免許税は、登記のたびに関わる非常に実務的な税金です。

保存登記や設定登記は相手方や金融機関も関わるため、司法書士に依頼することがほとんどです。
しかし、変更登記については、機会があればぜひご自身でも取り組んでみるとよいと思います。経費削減にもなりますし、登記の仕組みを理解するよい勉強にもなります。

私自身、弊社の法人設立や名称変更登記をはじめ、私個人が保有していた不動産を売却した際に諸般の事情で根抵当権抹消登記を自身で行いました。
それにより理解が深まった一方で、司法書士さんの凄さとありがたみを感じることができました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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