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建物の構造と外装・防水の基礎知識

最新更新日 2026年02月26日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

次回は防火地域や準防火地域に触れていきます。その中では、耐火建築物や準耐火建築物といったワードも出てきます。
これらを理解する上では「構造」の基本的な分類を知っておくことは重要です。

また、そのついでに、
・外壁や屋根にはどのような建材が使われているのか
・バルコニーや屋上の防水の種類はどのようなものがあるのか

といった基礎知識も知っておくことは、実務上とても重要です。

今回は建物の構造と外装・防水の基本的な分類について解説します。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「建物の構造」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

構造

まずは、建物の構造について紹介します。
構造は基本的に建物を支えるための「柱が何でできているのか」によって分類され、さらにその工法も分類がありますので、代表的なものについて解説します。

①木造

木造は、柱が木でできている日本では古来の構造です。
ちなみに、「木造」には代表的な工法が2つあります。

在来工法(ざいらいこうほう)

日本で古くから採用されている伝統的な工法で、軸組工法(じくぐみこうほう)とも呼ばれます。
・柱を立てる
・梁で骨組みをつくる
という「柱」が構造体の中心であり、壁は基本的に間仕切りの役割を担います。

在来工法は、柱で建物を支えていますので、間取り変更が比較的容易なことが特徴です。
・リノベーションの自由度が高い
・将来の改修に強い
といった強みがありますので、個人的には木造で最も推奨している工法です。

2×4(ツーバイフォー)工法

近年増加している工法です。
・規格化された木材を工場で加工
・パネル状の壁を現場で組み立てる

という工法で、施工スピードが早く、コストを抑えられるケースが多いです。

しかし、壁自体が構造体になっていますので、間取り変更の自由度が低く、大規模なリノベーションには制約があります。

②鉄骨造(S造)

鉄骨造は柱に鉄骨を使用する構造です。
英語の「Steel」の頭文字をとって「S造」と表記されることもあります。
鉄骨造は柱の太さによって大きく2つに分類されます。

軽量鉄骨

木造に近いサイズ感の鉄骨で、比較的低層建物に多い傾向があります。
法定耐用年数が木造より短くなる場合や、それより多少長めになる場合があり、それは多くの金融機関の融資返済期間に影響します。

重量鉄骨

「H形鋼」と呼ばれる大型の鉄骨を使用し、強度が高く、法定耐用年数は木造や軽量鉄骨造よりも長くなります

私は、新築時は将来的に建て替える際の「解体」を考えて計画することが重要と考えています。
個人的には、3階建てくらいまでのエレベーターを設置しない建物は木造を推奨しており、4~5階でエレベーターを設置する場合は重量鉄骨造を推奨しています。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造はマンションでは最も主流な構造になっており、「Reinforced Concrete」頭文字をとってRCと呼ばれています。

コンクリートは圧力を掛けられることに強い一方で、引っ張られることに弱い傾向があります。
反対に、鉄は引っ張られることに強い素材なので、これらを組み合わせることで強度な構造を実現しています。

ちなみに、RCの柱を作るときは以下の流れになります。
1.鉄筋(細い鉄の棒)を組む
2.型枠(木の板など)を設置
3.コンクリートを流し込む
4.固化後に型枠を外す

ちなみに、RC造の中でも代表的な工法が2つあります。

ラーメン構造

「え?あの食べるラーメンと何の関係があるの?」と、私も最初この名前を知ったときに思いましたが、そのラーメンとは何も関係ありません。
ドイツ語で「Rahmen」という「枠・額縁」の意味がある言葉があり、ここからきています。

簡単にいえば、木造の在来工法と同じようなものと思っていただければ大きく違いはありません。
しかし、柱の太さが木造と全く異なりますので、部屋の角や天井に大きな出っ張りが生じることが多い反面、比較的間取り変更しやすいのが特徴です。

壁式構造

これは木造の2×4工法のRC版と思ってもらえれば大きな違いはありません。
しかし、組立ではなく上記の柱を作るときと同じような方法になります。

壁で建物を支える構造なので、梁が出にくく室内がすっきりする反面、壁で建物を支えているため、間取り変更に制約が出る場合があります。

SRC造

ちなみに、鉄骨(H形鋼)とコンクリートを組み合わせた「鉄骨鉄筋コンクリート造」という構造もあります。

1.鉄骨を柱内部に埋め込む
2.さらに鉄筋を配置
3.その周囲をコンクリートで固める
という方法で建築し、非常に強固ですが、近年はRC造でも高層建築が可能なため、それほど多くはありません。

外壁材の種類と特徴

建物は構造体だけで成り立っているわけではありません。
構造によって採用される外壁も異なり、その種類によって維持方法や維持管理コストが変わってきます

塗装仕上げ

最もシンプルな方法で、外壁の下地に塗装して仕上げる方法です。

コンクリートの打ちっぱなし(コンクリートむき出し)のRC造を見かけることは少なくないと思いますが、実は表面に透明な塗装を施していることが一般的です。
塗膜で外壁の防水を行っていますので、10~15年毎に再塗装が必要ですが、タイルに比べるとコストは大幅に安くなります。

サイディング

木造や軽量鉄骨で多用され、様々な柄が販売されているので、コストの割にオシャレに仕上げられることが多いです。

サイディング材は、厚さ2〜3cm程度の板状のもので、多くのサンプルから選べます。
デザイン性が高く、サイディング材同士の間の目地はシーリングで隙間を踏めます。

こちらも10〜15年程度で塗装を行い、漏水を防ぐ必要があります。

ALC(軽量気泡コンクリート)

「比類なき壁」でおなじみのCMでよく知られる素材で、主に重量鉄骨造で採用されます。
コンクリートは重いため、イメージ的にはコンクリートで作った発泡スチロールのような外壁材となり、断熱性に優れています。

なお、前記CMの会社が製造しているALCは、一般的に流通しているものより厚みや性能が異なると担当者が話していました。

こちらも10〜15年程度で塗装を行い、漏水を防ぐ必要があります。

タイル

RC造で多く採用されており、コンクリートの保護や耐久性に優れており、何より高級感があります
ただし、修繕の際には「打診検査」が必要で、先端が小さい球になっている金属の棒でタイルを撫でたときの音の違いで浮きを確認していきます。
また、浮いたタイルは少量であれば注射器のようなもので接着剤を流し込んだり、広範囲な場合はタイルを剥がして新たなタイルを貼ったりしますので、修繕費用は高くなる傾向があります。

ガルバリウム鋼板

通称「ガルバ」と略して呼ばれることが多い素材で、波板状の金属板のようなものです。
軽量かつスタイリッシュで木造や軽量鉄骨での使用でき、基本的にメンテナンスフリーとされているため塗装も必要ないと言われています。

ただし、へこみの修繕をどうするかという問題や、目地のシーリングは行う必要があります。

屋根材の種類

次に、建物を雨や日射から守る屋根材について紹介します。

日本古来の屋根材で、耐久性が高く、塗装も必要ないため、エコな建材なのかもしれません。
その反面、重量があるため建物への負荷は大きく、固定するためのビスによって生じた穴から雨漏りケースもあり、費用も高いため最近の新築(特に集合住宅)では採用されないケースが増えています。

スレート

薄い板状のもので、形状は異なりますが、薄い瓦のようなものとイメージしてもらえれば良いと思います。
木造で多用される傾向があり、軽量で費用も安価です。

しかし、外壁修繕で足場を組んだときに塗装しておくことが理想で、塗装のときも上のスレートと下のスレートの隙間を埋めてしまわないように何かを挟んで塗装するといった注意も必要になります。

アスファルトシングル

表面がざらざらしたシート状のもので、多少柔軟性あります。
RC造の勾配屋根に多く使用されています。

ガルバリウム鋼板

外壁に使用されるガルバですが、軽量で耐久性が高く、メンテナンスも不要なので、屋根材に使用されることもあります。

防水工法の基礎知識

最後に、バルコニーの床や陸屋根(平らの屋上)では防水が必要となります。
代表的なものを解説します。

ウレタン防水

塗膜を何層か重ねる最も主流な防水で、下地が少しボコボコしている場合や、地震や経年で建物が多少動いた場合でも、追随性あるため亀裂が入り辛い傾向があります。

塗装なので、外壁と同様に10~15年毎に再塗装が必要となります。
5年毎に「トップコート」と呼ばれる表面の保護材を塗装することを推奨されています。(個人的には、そこまでしなくて良いと思っています)

FRP防水

メッシュなような感じの繊維シートの上から専用の塗装を施す補法で、硬質で強度があるため、木造や軽量鉄骨造のバルコニーで多い印象があります。

ちなみに、仕上げはトップコートを塗布するため、見た目ではウレタン防水と判別するのは慣れている方でないと困難です。

シート防水

防水シートを使用した防水工法で、主な工法が2つあります。

圧着工法

防水シートを全面に接着する工法で、下地が少しボコボコしている場合は貼り付けが難しい場合があります。また、地震や経年で建物が多少動いた場合に亀裂が入る可能性もあります。

機械固定工法

下地の動きの影響を最大限受けないようにするため、シートは被せるだけで接着せず、部分的に固定するという工法です。
防水シートを経年劣化で少し縮むことがありますが、機械固定の場合は多少ゆとりを持たせておくことで、縮んでも亀裂が入らないようにできます。

アスファルト防水

専用のシートに熱を加えて接着する防水工法です。
RC造で多く見られます。

おわりに

今回は建物の構造や外壁材、防水工法の代表的な分類について解説しました。
しかし、最近は技術革新により、木造の高層建築や新たな建材の登場も盛んです。

これらの基本をベースにしながら、常に新しい情報もキャッチしながら、建て替えや大規模修繕での建材・工法の検討を行っていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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