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民法の側面から見た「贈与」の基本知識

最新更新日 2026年02月02日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

賃貸仲介で「贈与」に関わる機会はほとんどありませんが、賃貸管理を通じてコンサルティングを行っていると、特に相続対策で関わるのが「贈与」です。
「贈与」には民法と税務の両側面から知る必要がありますが、今回は民法の側面から解説します。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「贈与」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

贈与が登場する典型的な事例

大家さんの場合、贈与が出てくる場面としては、
・生前に現金を子どもへ渡したい場合
・不動産を子どもへ譲りたいと考える場合

などが挙げられます。

これらは、日常的な感覚でも理解しやすい内容かと思います。
一方で、贈与について「契約」という視点で深く考える機会は、それほど多くありません。しかし、贈与は贈与契約に基づいて行われるものであり、ここが実務上の重要なポイントになります。

贈与契約は解除できるのか

贈与契約は、原則として解除できないものとされています。ただし、解除が認められるケースが一つだけあります。
それは、書面で契約を締結しておらず、まだ財産を渡していない場合です。

つまり、口約束で、まだ財産を渡していなければ、やっぱり渡すのをやめることができます。
裏を返せば、書面で贈与契約を締結している場合や、口約束だけどすでに財産を渡してしまっている場合は、解除できないということになります。

負担付贈与

実務やコンサルティングの現場でよく出てくるのが、負担付贈与です。

例えば、「この不動産をあげる代わりに、借金も一緒に引き継いでください」といったように、贈与と同時に一定の債務を負担してもらう形の贈与を指します。

停止条件付贈与

理解しづらいものとして、「停止〇〇付贈与」というものがあります。
通常の贈与では、合意が成立すると直ちに贈与の効力が発生します。しかし、これらの類型では、一定の時点まで贈与の効力をあえて停止させます。

その代表例が、「停止条件付贈与」です。
将来、その条件が発生するかどうか分からない場合に用いられます。
例えば、「宅建に合格したらこの現金をあげます」といったケースです。合格するかどうかは不確定ですが、条件が成就したときに贈与が発生します。

停止期限付贈与

一方で、必ず到来する期限まで贈与の効力を停止させるものが、停止期限付贈与です。その代表例が「死因贈与」です。
「自分が死んだらあげますよ」という形で、死亡という必ず訪れる時点をもって贈与を発生させます。

なお、死因贈与を停止条件付贈与として説明されることもありますが、実務上は文脈を踏まえて理解すれば大きな問題になることはありません

さいごに

贈与は、賃貸実務では関わる機会がほとんどありませんが、賃貸管理を行っていると大家さんから各種相談を受けることがあります。
その中で、事業承継や法人化、将来設計を考える場面では避けて通れない制度です。細かな違いを厳密に理解していなくても直ちに問題になることはありませんが、こうした民法上の側面やルールがあるという点を知っておくことは重要です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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