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請負契約とは?リフォーム会社や建築会社との契約形態

最新更新日 2026年01月29日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

賃貸経営では、リフォーム会社や建築会社と関わる機会が多いです。
工事を依頼したときには、契約書または注文書のやり取りを行うこともありますし、口頭やメール等だけで発注することもありますが、そのときには意識せず「請負契約」という一種の法律に基づいています

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している「請負」は本当なのか?」という動画の内容を、文字で整理したものです。

請負の例:工事(建築)請負

請負が登場する代表的な場面として、工事請負や建築請負があります。
例えば、賃貸物件の原状回復工事は典型的な請負ですし、少し規模の大きなリフォーム工事も請負に該当します。

さらに、これまで建物のなかった土地に新築するケースや、古い建物を解体して建て替える場合は、建築請負となります。いずれも、賃貸経営において関わることのあるものです。

諾成契約

請負契約の大きな特徴として、「諾成契約」で締結でき、書面が必要とされていない点が挙げられます。
諾成契約とは、当事者同士の意思表示が合致すれば成立する契約で、口約束でも成立する契約ということです。

実務においても、一般的な原状回復工事などでは、LINEやメール、あるいは口頭でのやり取りのみで進めるケースが多く見られます。

書面を作成する理由とは

一方で、業者によっては10万円程度の工事であっても、発注書や注文書の提出を求められることがあります。
これは厳密な契約書というよりも、「注文した事実を証拠として残したい」という趣旨によるものです。

また、新築工事のように数千万円から数億円規模になる場合は、必ず建築請負契約書を締結します。
民法上は口頭でも成立しますが、後日のトラブル防止のため、書面化するのが実務上の基本といえます。

請負代金の支払いは原則「後払い」

請負契約における代金の支払いは、民法上は工事完成後の後払いが原則です。
つまり、すべての工事が完了した後に、全額を支払うという考え方です。

しかし、実務上では前払いや分割払いも珍しくありません
数万円から数十万円程度の工事であれば後払いも珍しくありませんが、新築工事のような高額工事では、工事業者がすべてを立て替えるのは現実的ではありません。

新築工事:着工前・上棟時・引渡し時が一般的

新築工事の場合は、数千万円から数億円以上になりますので、以下のような支払いが一般的です。

着工前に3割等の一定割合を支払う
上棟時(屋根を支える時に棟木を設置したとき等)に3割等の中間金を支払う
引渡し時に残金を精算する

なお、リフォーム工事では、着工前に半金、完了後に残金を精算するという二分割払いが多く見られます。

工事中の建物は誰の所有物なのか

請負契約において重要なのが、完成・引渡しまで建物は請負者の所有物と扱われる点です。
工事が完了した時点でも、引渡しが終わるまでは、施主が自由に使用することはできません。

そのため、新築アパートやマンションでは、完成前から入居募集を行うことがありますが、工事業者によっては、引渡し前の内覧を認めないケースもあります。
これは、引渡し前に傷やトラブルが発生した場合、責任の所在が不明確になることを避けるためです。

業者によっては、現場監督の立ち会いを条件に内覧を認めたり、信頼関係を前提に鍵を貸与したり、判断基準には大きな差があります。

支払いと引渡しは「同時履行」が原則

建物を引渡したのに、代金が支払われないという事態は、工事業者にとって致命的です。
そのため、支払いと引渡しは同時履行が原則とされています。

仮に施主が支払いを拒めば、業者は引渡しを拒むことができますし、逆に業者が引渡しを拒めば、施主も支払いを拒否できます。
実際に起こることは稀ですが、重要なポイントです。

請負契約の解除

注文者である大家さんは、工事途中であっても、進捗分の代金や発生済み費用を支払う、つまり損害賠償を行うことで解除が可能です。

その反面、請負者(工事業者)の解除は原則不可となります。
一度請け負った以上、完成まで責任を持つという考え方が基本です。

ただし、注文者が倒産・破産するなど、代金回収が見込めない特別な事情がある場合には、例外的に解除が認められます。

さいごに

なにげなく工事の発注を行っていても、実はこの「請負」に基づいて工事は行われています。
その基礎知識だけでも理解しておくことは大事なことかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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