【管理対応事例】年末年始に排水管が詰まって汚水オーバーフロー

最新更新日 2023年12月22日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

私が賃貸管理を行っているマンションオーナー様からご親族のマンションオーナー様をご紹介いただきました。

まずはお話しを伺うと、先代から同じ不動産会社とお付き合いしてきましたが、管理体制に不満を持ち、更には信頼関係に傷が付くような出来事も発生したため、賃貸管理会社を変更したいと思い立って親族に相談したところ、嬉しくも私をご紹介いただきました。

その年の8月から賃貸管理を受託させていただき、色々な問題点を把握しながら一つずつ手を付けていきました。
そして、翌年以降の大まかなビジョンも共有して年末を迎え、大晦日の夜は近所の温泉に行ってリラックスして帰ろうとした時、ホームページから問い合わせが来ていました。

少し嫌な予感がしつつもメールを開くと・・・

問い合わせ

(問い合わせ内容)
●●の●●号室に住んでいる●●と申します。
本日仕事終わりに帰宅後、自室のトイレの詰まり、お風呂場の排水溝からの逆流があり対応に困っております。夜間申し訳ございませんが生活に関わっておりますので本日中にご連絡頂けますと幸いです。

すぐに状況確認で電話をしました。

大晦日に状況確認の連絡と一次対応

大晦日に状況確認の連絡と一次対応

まずは電話で状況を確認しました。
トイレを流すとお風呂場の排水溝から水が逆流してくるようでした。

建築図面の配管図を確認したところ、トイレの排水管とお風呂場の排水管は別々に本管(縦管)へ繋がっているため、トイレの排水管ではなく本管付近で詰まり始めていると予想されました。

前管理会社で加入していた24時間対応サービスを手配して、翌日に訪問することになりました。
排水管に水を流すと、逆流して汚水がオーバーフローしてしまう可能性があったため、一旦はご友人の家に泊まりに行ってもらうことになりました。

元旦に汚水がオーバーフロー、詰まり解消の手配

元旦に汚水がオーバーフロー、詰まり解消の手配

元旦に友人宅から入居者が帰宅すると、宅内に汚水がオーバーフローしてしまっていました。これにより、本管で詰まっていることが確定しました。
また、その汚水が下階に漏水し、居室のシーリングライトが故障してしまいました。

すぐに排水管の縦管が繋がっている上階2世帯の入居者に連絡し、事情の説明と、解消されるまで排水の使用は控えていただくようお願いし、快くご協力をいただけました。

その後、24時間対応サービスの業者が訪問しましたが詰まりが解消されず、さすがに元旦はほとんどの業者が休みなので、クラシアンに連絡して入居者と調整してもらったところ、翌日訪問してもらうことになりました。
下階の入居者にも事情と今後の対応を説明しました。

【元旦の状況と対応】
■下階世帯:漏水でシーリングライト故障、事情説明と今後の対応報告
■該当世帯:汚水オーバーフロー、一社目の訪問対応とクラシアンの訪問調整
■上階2世帯:事情説明と翌日まで排水停止の協力依頼

1月2日にクラシアン訪問で詰まり解消

1月2日にクラシアン訪問で詰まり解消

クラシアンが16時30分に到着。まずはワイヤーで出来るだけ詰まりを撤去してもらいましたが、詰まりが酷く難航しました。
原因は経年的な詰まりで、入居者の責任ではありませんでした。

最後に持ち運び式の高圧洗浄機で排水管を洗浄し、夜20時半頃に排水は問題なく行えるようになりましたが、内視鏡で排水管の内部を確認したところ、何か白い物体が残っていて、完全に解消されたとは言えない状態でした。

下階の入居者にはこれまでの状況説明を説明しました。
まだ異物が完全に取り除かれておらず、万が一再度漏水が発生して電気系統に水が入って火災が発生するといけないため、翌日に仮設の照明器具を届ける約束をしました。

上階2世帯にも状況を説明し、同時に2世帯が排水するとまたオーバーフローする可能性があるため、偶数と奇数の時間帯でそれぞれの世帯に時間帯を割り振り、その時間帯に水回りのご利用をいただくお願いをして承諾をいただきました。

該当世帯の入居者や家主と相談した結果、翌日に同じマンション内の空き部屋へお引っ越ししていただくことになりました。

【1月2日の状況と対応】
■下階世帯:状況説明と翌日に仮設照明を届ける約束
■該当世帯:一旦は詰まり解消、翌日に別部屋へお引越しの同意
■上階2世帯:状況説明と奇数偶数で水回りを使用する時間帯の割り振り承諾

1月3日に別部屋へのお引越しと照明器具のお届け

1月3日に別部屋へのお引越しと照明器具のお届け

該当世帯の入居者の友人も協力してくれ、重量のある家電製品以外や汚水で汚損した家財以外は一通り別部屋へ移動していただきました。
重量のある家電製品は、家主負担で後日便利屋さんに移動してもらうことになりました。

排水管の異物を完全に取り除くには高圧洗浄車による強力な排水管洗浄が必要となり、複数の業者に連絡を取りましたが、ほとんどが休業中でした。
そのうち1社は連絡が取れ、連休明けに連絡をもらうことになりました。

ホームセンターで工事用の仮設照明を購入し、下階の入居者へ届けた際、高圧洗浄車による排水管洗浄を実施するまで時間を要してしまうため、それまで居室は仮設照明で生活していただくことを謝罪も含めお願いし、了承をいただきました。

上階2世帯にも同様に説明し、排水管洗浄が終わるまで割り振りした時間帯毎に水回りをご利用いただくようお願いして了承をいただきました。

【1月3日の状況と対応】
■下階世帯:状況説明と仮設照明のお届け
■該当世帯:別部屋へお引越しと重量のある家電移動の手配
■上階2世帯:状況説明

その後の対応と高圧洗浄車による排水管洗浄

その後の対応と高圧洗浄車による排水管洗浄

1月5日に家電を便利屋さんが移動し、残るは高圧洗浄車の手配のみとなりました。

そして、最短で高圧洗浄車での洗浄作業を実施してくれる業者に依頼し、2月1日に建物全体を対象として排水管の洗浄作業を実施しました。
その際に便器を外して排水管内部を高性能なカメラで撮影したところ、詰まりは無事に解消されていることを確認できましたので、詰まり対応は全て完了しました。

その後、最寄りの家電量販店でシーリングライトを購入し、お届けしました。

汚損で買い替えることになった家財や下階の故障したシーリングライトは家主が補償しました。
しかし、補償した家財等をはじめ、汚水で汚損された床材の補修やクリーニング代は火災保険で全額認定されました。

後日、家主の意向で今回ご迷惑をお掛けした4世帯の入居者には気持ちとして商品券をお渡ししました。

後日談

今回は入居者が皆さん良い方で、「年始早々大変ですね」「一生懸命対応してくれてありがとうございます」と労いの言葉をいただきました。
かえって通常の営業日ではなく、年末年始だったからこそ労いの気持ちとともに協力的になってくれたと思いますし、私も他の仕事がなかったため集中して対応することができました。

オーナー様からも「前の管理会社だったらどうなっていたかとゾッとしますが、三好さんに任せて本当に良かったです」と嬉しい言葉もいただき、賃貸管理をやっていて良かったと嬉しかったです。

また、それまではクラシアンさんは金額が高いとあまり良い印象を抱いていませんでした。
しかし、「内視鏡で白い物体が映っていて、どうやっても取れないので洗浄費を免除します」と内視鏡の撮影費用のみの請求にしてくれました。
クラシアンさんには年末年始でもすぐに対応してくれるスピード感と、そのような誠意ある対応に大変好感を持ちました

クラシアンは売上・依頼件数No.1】水漏れ、水回り・水道のトラブル・修理はクラシアンにお任せ下さい!24時間365日対応、0120-511-511までお電話下さい。

排水管洗浄は非常に重要

排水管洗浄は非常に重要

汚水のオーバーフローは衛生的にも心理的にも大きなトラブルに発展する可能性がありますので、非常に危険です。
分譲マンションでは排水管洗浄を毎年行っているケースが多く、専門業者も毎年を推奨しています。
私の経験上では、排水不良などの問題がなければ、2~3年に1回、どんなに少なくても5年に1回は実施するべきだと考えています。

また、排水管洗浄を実施する場合は専門業者に直接依頼しましょう。
賃貸管理会社を通すとキックバックを取られてしまう可能性があり、工務店やリフォーム業者に依頼すると中間マージンが発生して割高になってしまいます。

キックバックについては以下の記事で解説しています。
実はリフォーム代が水増しされていること、知っていましたか?

また、排水管洗浄の必要性を感じて手配した、または実施を検討したとしても、その間に排水管の詰まりが生じてしまう可能性もあります。
排水管の詰まりや給湯器・エアコンの故障など、トラブル対応を行う際には大事なポイントがありますので、以下の記事で解説しています。
賃貸トラブルを炎上させない対応テクニックとは?

適切に排水管洗浄を行い、汚水による漏水トラブルの未然防止に努めていきましょう
ご愛読いただきありがとうございました。

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