【重点対応エリア】不動前(西五反田・下目黒・小山台・小山)

賃貸実務で知っておきたい都市計画法~区域と用途地域〜

最新更新日 2026年02月20日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

マンション開発や建売業者、広範囲のエリアを扱う不動産売買の方であれば、「都市計画法」は関わる機会が多いと思います。
しかし、特に都心に不動産を所有する大家さんやそれらの管理に携わる賃貸管理会社は関わる機会が少ない反面、遠方の元実家や住まいを貸しているケースや、いざ建物を建て替える場合、返ってきた借地に新築する場合等は、都市計画法が影響してきます。

そのようなケースに知っておきたい最低限の知識について解説しました。

本記事は、当社YouTubeチャンネルで公開している
「都市計画法」
という動画の内容を、文字で整理したものです。

市街化区域と市街化調整区域

都市計画法では、様々な区域が指定されています。
実際には他にも色々ありますが、特に覚えておきたいのが次の二つです。

市街化区域

賃貸経営・賃貸管理の現場では、住宅や事務所、店舗などが整備されたエリア、つまり市街化区域にある物件を扱うことが圧倒的に多くなります。

市街化調整区域

一方で、注意が必要なのが市街化調整区域です。
農地や山林などの自然環境を保全していくための地域で、原則として宅地利用(住宅・事務所・店舗等に利用する土地)はできません

しかし、例外的に建てられるケースもあります。
例えば、農業従事者がその土地を耕作する場合、その近くに住宅が全く建てられないと生活が成り立ちません。
そのため、農林漁業の従事者に対しては一定の条件のもとで住宅建築が認められるなど、例外規定が設けられています。

ただし、こうした特例によって建てられた建物は、
・建て替えが難しい
・第三者への売却が難しい

といった問題を抱えるケースも少なくありません。

実務で最も重要な視点

大家さんから、
「実家も管理してほしい」
「空き家になっているがどうすべきか」
「将来売却を考えている」
といった相談を受けた際、市街化区域の感覚で判断してしまうと危険です。

まずはその土地が市街化調整区域ではないかを疑うこと、これが非常に重要です。
調査の結果、市街化調整区域であれば、一度立ち止まり、十分な検討をしたうえで対応する必要があります。

用途地域とは

市街化区域には、必ず「用途地域」が定められています。
用途地域とは、「どのような用途の建物を、どの程度の規模で建てられるか」を定めるルールです。

これは建て替えを検討する際に必ず確認する事項です。
建築可能な用途や規模は、用途地域によって大きく異なります。

用途地域は、大きく次の三つに分類されます。

住居系
商業系
工業系

それぞれ簡単に整理していきます。

住居系

まず、「第一種低層住居専用地域」があります。
業界では「一低層(いっていそう)」と略されます。
主に二階建て程度の建物が並ぶ、閑静な住宅街に指定されることが多い地域です。

その他、
第二種低層住居専用地域(二低層)
田園住居地域
があります。

住居系(低層以外)

次に、
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域

があります。これらは一中高(いっちゅうこう)、二中高と略されます。

これらの地域では、比較的高さのあるマンションが建ち並ぶエリアも見られます。

その他、
第一種住居地域:一住(いちじゅう)
第二種住居地域:二住
準住居地域:準住
があります。

これらは比較的広範囲に指定され、商業系地域と隣接していることも少なくありません。

商業系

商業系には、
商業地域
近隣商業地域
:近商(きんしょう)
があります。

商業地域は、いわゆる繁華街に指定される地域で、比較的大きな建物の建築が可能となります。
近隣商業地域は、小規模な商店が立ち並ぶ通り沿いに指定されることが多い印象があります。

工業系

工業系には、
準工業地域
工業地域
工業専用地域

があります。

準工業地域は、町工場が多いエリアなどに指定されることが多い印象があります。
工業専用地域は、東京湾沿いなどの工場地帯をイメージすると分かりやすく、基本的に居住用途は想定されていない地域です。

おわりに

用途地域には細かなルールが数多く存在します。
宅建試験では暗記科目ですが、実務ではすべてを覚えておく必要はありません。

大切なのは、
「この案件は用途地域を調べたほうがよさそうだな」

と気づけることです。

そのためには、用途地域という概念があり、まずは用途地域の名前は最低限覚えておかなければいけないものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

PREV